見出し画像

お揃いのスーパースター

あの頃、彼女は女バスのエース、試合はもちろん、練習の時もコートの上で輝いていたね。学校だけでなく、他校の男子バスケ部員も、彼女を見るために練習見学に来てたよね。ファンは学校中のそこいら中にいて、男バス部員だったぼくは、よく手紙を託されたなあ・・もちろん、全部破って捨ててたけどね。

ぼくの方はと言うと、練習についていくことで精一杯、試合ではベンチに座れればラッキー、ユニフォームさえ着れない日もあるという根っからの補欠部員だったよね。どう見ても「つりあわない」と自分で決めつけていた、クラブが同じなのに、話をすることもなかったよね。

あの日までは・・

神様は時々気まぐれを起こすらしい。学校からの帰り道、バス停でバスを待っている時にどこからか彼女の声が・・・「どこまで行くの?」と何気なく聞いてくる彼女の笑顔、こんなに真近で見るのは初めて、「めちゃ可愛いやん~」!「スポタカ行ってスニーカー買おかなと思って・・」と答えると、本日2回目の神様の気まぐれ登場・・「私も一緒に行きたい」と彼女が言った。「え~、まじで~、やばい!」と思いつつ、自分の心臓の音が外に聞こえるんじゃないかというくらいドキドキした。。今日、神様は、ぼくに微笑みまくりで、3回目の気まぐれが起こり、「おそろいのスーパースター」を買って、おそろいで履くことに・・・・お店のお姉さんは高校生カップルを楽しそうに冷やかすし、ぼく一人が赤い顔して「そんなんじゃないんです」を連発し、その横で彼女は笑って見ててくれた。ぼくにだけにくれた笑顔が眩しかったし、うれしかった。

あれから何十年も経ってしまったけど、スーパースターを見ると、恥ずかしいえど淡い想い出がよみがえってくる。おそろいのスーパースターはとても大事に履いてたよ、2人だけの秘密がうれしくて。。

最後まで読んでくれてありがとう。


最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。お役に立てる記事、笑ってもらえる記事、ホッとできる記事などを書いていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。