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狂気山脈 陰謀の分水嶺 GMヘルプガイド

「狂気山脈 陰謀の分水嶺」のGMを何度か行ってルールブックで明確に記載されていない箇所、プレイヤーが誤解しやすい箇所について、自分なりの解釈をまとめました。せっかくの名作なのでより多くの人がプレイできるようにという個人的な意図です。
公式なものではありませんし、制作者の方と何のつながりもない一個人による解釈ではありますが、参考にしてみてください。
なお完全なネタバレになっているので、「狂気山脈 陰謀の分水嶺」のGMを行おうとしている人以外は絶対に見ないでください。











推理と投票について

「隊長殺害の実行犯を追う」ミッションのある医者、教授、登山家のミッション達成(投票時点で隊長殺害の実行犯を把握しているか)を確認するため、11の「推理&投票」後に推理を披露する時間を設けています。
3分間の推理の後に「事件の黒幕」への投票、その後にエンディングというのが原版の流れですが、投票後、エンディング前に各プレイヤーが1分以内で推理を披露する時間を用意しています。
この時に隊長殺害の実行犯について言及があれば、「隊長殺害の実行犯を追う」ミッションを達成したとみなしています。
エンディングでの行動や各プレイヤーのミッションに関して、披露される推理がほかのプレイヤーの行動に影響しないよう、個人ミッションの達成・未達成の確認はエンディング後に行うので、この「推理タイム」では事件に関係している人物についてのみ述べるようにとアナウンスします。

エンディングの行動判定

エンディング時にキャラクターが取れるのは数秒程度の1アクションなので、基本的にできるのは動作1つです。
ただし最終会議までの議論の中で各プレイヤーが事件の黒幕の正体と光を当てることに気づいているのであれば、1アクションに収まっていなくてもそのアクションを認めています。たとえば「黒幕以外の仲間からライトを奪って(借りて)、黒幕のキャラクターを照らす」は2アクションかもしれませんが可能と判断しています。

マーダーミステリーではキャラクターとして取れる行動は既定されいて、自由に行動できるという場面はほぼ存在せず、特に「狂気山脈」ではエンディングまで一切そのような状況はありません。そのためエンディングでフリーアクションと突然アナウンスされても、何をすればよいのかわからずに戸惑うプレイヤーがほとんどです。このため光を当てられる(アイテムを持っている)プレイヤーが、いきなりのフリーアクションに対応できず、適切なアクションを取れないこともあります。
ルール通りに厳密に進めると寄生生物が逃げ切ることになりますが、「黒幕のキャラクターへ光を当てることは全部わかっていたのに、ルールのせいで失敗した」と感じると、プレイヤー体験の満足度が下がってしまうため、議論中にたどり着いているのであれば判定を緩めています。

一方で一巡目のアクションで寄生生物を倒すことができなかった場合、対処方法に気づけていない場合は、寄生生物が異界の門を開くエンディングに進むような演出を行います。
ライトを持っているキャラクターが行動可能な状態で残っていても、「突然繰り広げられた惨劇を目の当たりにしたあなたは、ただ動物的な本能に突き動かされて逃げることしかできなかった」などとしています。

ソロ調査とバディ調査内での行動順

各調査時に調査の前に何か行動を行ってもよいのか(カードの全体公開や譲渡、スキル発動)をゲーム開始前に決定、周知しています。
「ソロ調査やバディ調査ではまず調査しないとほかの行動ができない」、「調査前に何らかの行動が可能」のどちらでも運用できますが、GMとプレイヤーで解釈の差があると体験の満足度が下がるので認識の統一を行っています。
これは主に「狂気の洞察」、「神秘の隠匿」をどのように入手できるかに主に関わっていて、調査前に行動ができるとほかのプレイヤーに不意打ち気味で調査可能(自分が調査先を指定する直前にカードを公開する)、事前に公開だと手番順を考慮したプレイが必要になります。

マーダーミステリーに限らずアナログゲーム全般の経験がある(ゲーム感がある)プレイヤーであれば直前公開禁止の方が、戦術的に考えることが多くなって楽しめるはずです。
ただし進行によっては最後のソロ調査まで狂気の洞察、神秘の隠匿(特に狂気の洞察)を調査できる条件が揃わないことがあります。
カードの調査順番という運だけで犯人側が大幅に有利になるのは偶然性が高すぎるため、この場合は特別に調査前のカード公開を可能にしています(経験上は、なぜか教授の5,000mが最後まで調査されないことが多いです)。

ソロ調査の時系列

ソロ調査は「あらかじめ5人がお互いの調査先を告げた後、全員が同時に調査に出発している」と捉えています。
そのため先の手番の人が山の調査を選択しても、そのあとの人がその標高を選ぶことはできないと解釈しています(例:1番目の人が標高6,000mの山を選択しても、2番目以降の人は6,000mの情報カードや7,000mの山は調査できない)。

実行犯への特殊カードと特殊スキルの配布

盤面上では「?」のマーカーを置いたまま、実行犯にはハンドアウト配布時に電撃発生装置とペンデュラムの表面カード画像を個別に送信しています。
盤面上でカードを見なくても済むようにという配慮です。この際に実際にはカードの所有者は実行犯のプレイヤーにあると説明しています。

宿主の移動について

ルールブックに記載されている①~③の条件が満たされることはほぼありません。
この場合、「キャラクターがどれくらい狂気に近いか=後半の宿主となったときに変更されるミッションの配点の高さ」を次点の判定基準にしています。
たとえば前半の犯人が医者、教授と密談していた場合、医者の「首のない死体の謎を解き明かす」と教授の「薄明石を入手する」の配点を比べて、配点が高い方を後半の犯人として選んでいます。

ホワイトアウト時の密談について

前半の宿主と後半の宿主にそのキャラクターの置かれた状況を説明するだけで、密談は1分以上かかってしまいます。きちんと理解して後半に臨んでもらった方が好ましいので1分経ったからといって時間で切り上げるのではなく、丁寧な説明が必要になります。なにしろ彼らが変更された内容をきちんと理解していないと、犯人側が自滅して終わることになりかねません。マーダーミステリーは「犯人対探偵」という対決の構図でもあるのに、相手が自滅で終わっては勝利した側も達成感が得られません。
一方でそれ以外の3人は密談する内容があまりなくて短くなりがちで、長短の差が出るとメタ推理がどうしても生じてしまいます。そのため3人にはミッション達成のアドバイス、スキルを使える状況など、プレイヤーが前半プレイの中で忘れがちなことを伝えて、密談時間を引き延ばしています。

標高と内容の関係について

カードの中身はその標高で発見されたもの(首のない死体や銀色の筒)もありますが、ゲームの都合上でその標高まで調査が進んだ段階で発見されるものもあります(各登場キャラクターのアイテムなど)。
全てのアイテムがその標高から発見されたと考えるプレイヤーがたまにいますが、そうなると過去に登山していないという設定と矛盾することになります(たとえば教授の7,000mの「未知の鉱石」、探索7,000mのボイスレコーダーなど)。
「みんなには黙っているが、アイツは実はその高度まで登っていたのでは」といった本筋と無関係な推理にならぬよう、ゲーム開始前に、標高とカードの中身が結びついていることもあるが、ゲームの都合的にそうではないこともあると伝えています。

首のない死体の謎とは

「隊長」が「銀色の筒を使って」、「脳を取り出し」、「首を切り取った」ことですが、「隊長」、「銀色の筒」、「脳を取り出す / 首を切り取る(のいずれか)」の3つで達成とみなしています。
推理の手がかりになるのは「銀色の筒」と「古い写真」で、その2つだけから脳を取りだすことと首を切り取ることが別々に行われたことは読み解けないからです。

ペンデュラムについての説明

ダウジングの際に使用する振り子全般のことを「ペンデュラム」と言いますが、あまり一般的な言葉ではないので固有のアイテム名と勘違いする方がいるかもしれません。
医者、調査員、前半の犯人には、ゲーム開始前に補足してあげるといらぬ誤解が減ります。

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デスゾーンについての説明

酸素が薄くて人間の活動が難しいことから登山用語で、標高8,000m以上全般がデスゾーンと呼ばれています。
「狂気山脈の標高8,000m」に何らかの危険があるために「デスゾーン」であり、登山することで何か危険なことが起きると心配するプレイヤーがいるので、ゲーム開始前に補足してあげるといらぬ誤解が減ります。

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