女神の継承を見た。

信じているモノは果たして本当にそこにいるのだろうか。

きましたきました。とうとう来たなこの時が。
私はずっと上映を待っていたんですよ、首を長ーくして待機していたわけです、ええ。そうですとも。

"女神の継承"です。

ホラー映画好きが大好きな設定を全部盛りした感じの映画だったと思う。話の舞台がタイの奥地にある村ということもあり、かなりジメジメした雰囲気を味わえる映画と言える。いやもう画面から漂う蒸し暑さよ。

さっきも言ったけど設定。
祈祷師一族。土着信仰。謎の神への絶対的な信仰心。
その一族にあたるのが主人公だが、もう本当に本当に不憫な立ち回り。
ホラーの主人公たるモノ不憫で然るべき。仕方のない事。

とは言え、かなり不遇だ。

そもそもこの家族が抱えている闇が今作のテーマの1つにもなっている。業の深い人間の一族が神に祈りを捧げる役割を担っているのだから皮肉だ。
血筋の女性が祈りを捧げる役割を先祖代々受け継いでいるこの村では、女神の存在は絶対的だ。
疑うものなど誰1人としていない。もしいたとしてもこの狭いコミュニティじゃ無事では済まないだろう。
まあそんなの人智を超えた存在からしたら羽虫も同然だ。罪があろうがなかろうが、悪人だろうが聖人だろうがなんてことは無い。彼らは気まぐれである。
気まぐれゆえに人を殺すし、人を救ったりもする。
でもそれは、彼らが真に存在したらの話であって、もしいないならそんな奇跡のようなことはどちらにせよ起こらない。心霊、そして神の逸話は確認のしようがないから所詮たらればだ。

…もう嫌な予感というか、これから悪いこと起こりますよ〜^^という制作者のいやらしさが透けて見える映画だ。どうせ何かあるだろという時にちゃんと何か起こるし、何より予想を上回ってくる。
まあ、分かっててもなかなか怖い作品には違いない。結構怖かった。ビックリホラー要素もかなりある。

製作者が心が健康な時に見てくださいねと注意するのもまあわかる。

紆余曲折あり(ありすぎ)最後の方は残酷!残酷!残酷!!!な地獄絵図だった。
もうやめてよと言いたくなるタイプの残酷描写。ここまでくると笑えてくる。あと犬!!!犬と赤ん坊に対してのヘイトがあまりに高い!!、!!!!!
でもそういうホラーは外さない。観たくないけどね。
これジレンマです。

そもそもここまでの描写になるのなんでだ?と思ったところで、ちゃんと腑に落ちるシーンが数々出てきていることに気づけるから、そこも計算し尽くされてるのだとしたらある意味別の震えがくる。

また、女神の継承はタイトルからも予想できる人がいるかもしれないけど、憑依モノ。
ネタバレじゃんと思う方もいるかもしれないけど大丈夫。ここで言ったところで別になんの支障もない事を観たら100倍納得すると思う。大丈夫。

今回のジャンルで知名度があるのは、やはりエクソシストではないだろうか。
ふと思うのは西洋だったらキリスト教が〜とか悪魔が〜になるけど、アジアンテイストだと土着の神とか悪霊が〜って変化するのが所謂カルチャーの違いなのだろう。摩訶不思議!

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