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映画「あの頃。」を観て

松坂桃李主演、映画「あの頃。」鑑賞。

ハロプロオタ達の素晴らしく馬鹿らしく、そして何よりも素敵な「あの頃。」を追った青春群像劇だ。

まず、主演の松坂桃李。皆ご存じのイケメンルックスを、ハロオタに見せるため、できるだけやぼったい衣装、帽子、髪型などの役作りをしていたが、やはりイケメン。やっぱり、かっこよかった。

物語は小泉、という、小心者だけど、喧嘩っ早いハロプロ同好会の一人が特に目立っていて、後半はほぼ小泉中心で物語が語られる。もちろんハロプロ同好会のほかの連中もキャラが濃くて面白い。

松坂桃李は元々バンド活動をしていて、なかなか、技術も、モチベーションも上がらない日々を送っていた。そんな時、ある友人が何気なく「パチンコで勝ったついでに」というメモとともに松浦亜弥のCDを渡してきて、アパートの部屋に戻り、付属のビデオを鑑賞した桃李。すると、いつしか感動してしまって、涙を流している桃李がいた。

それから彼は、自転車をかっ飛ばし、急いでCD屋へ。松浦亜弥のコーナーを見つけ、シングルを二枚ほど手に取って悦に入っていると、CD屋の店長らしき男が近づいてきて、「もしよかったら、これ、どう?」と言いながら、ハロプロの同好会による、トークライブのチラシを渡してきた。ここで、彼の人生はうだつの上がらない日々から180度回転するのであった…。

観た感想としては、人間は今が一番最高!って生きるのが一番良いということに気付かされた。確かに最高の過去もあるだろう、不確定な未来への期待と不安もあるだろう。時は過ぎる。決して一秒も止まってくれない。そんな時、心の支え、芯となって響いてくるのが過去の素晴らしい思い出、経験だろう。そして、未来への夢だろう。夢がないと、人は生きていけない。宝くじを買っても、皆、「自分だけは当たるはず、いつか」という期待が、1ミリでもあるから買うのだろうし、未来は「希望」、というエサなしには存在しえないのである。

この映画の主要人物、小泉の、嵐のような生き様、儚く散る最後をみて、「人は変わる。それは止められない。でも、手垢のつきまくった言葉だけど、今が最高!という気持ちで生き続けること」以上の「希望」はないんじゃないか、と思わされた。

そして、この映画は、時が経って、「大人」になっていくこと、と、永遠に中学10年生のようにバカをやり続ける、こと、どちらも肯定しているように見えて、とても考えさせれた。

良い映画に乾杯!

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