声楽タイムズ第9回「条件反射音楽」

日本声楽家協会事務局の木村雄太です。

突然ですが皆様、このような経験はありませんか。

街中で携帯の着信音が鳴り、とっさに自分の携帯を見ようとするが、
同じ着信音の他の人の携帯だった。

いわゆる条件反射ですが、
音にまつわる条件反射は沢山あります。
目覚まし時計のアラームが鳴れば起きなきゃと思う、
踏切の音が聞こえると注意する、
肉の焼ける音でおなかが減る、など。

上の例は音による条件反射ですが、
音楽による条件反射もあります。

例えばスーパーで「蛍の光」(本当は『別れのワルツ』という曲です)を聞くと、
もうすぐ閉店だと思い、焦ります。
他にも《マカベウスのユダ》の「見よ、勇者は帰る」を聞くと
運動会の表彰式の光景が目に浮かぶ、
「夕焼け小焼け」のサイレンを聞くとお家に帰ろうと思う、などなど。

このようなシチュエーションの時にはこの音楽、と
幼い頃から刷り込まれてきた「条件反射音楽」ですが、
これはプラスの方向に応用できます。

小学校では掃除の時には毎日同じ音楽を流し、
生徒が掃除モードに切り替わるようにしているそうです。
母校の小学校では掃除の時間にクラシック音楽のメドレーが流れており、
それを聞くと箒を手にしたくてたまらなくなりました。

また、自分の場合はやる気を出したいときには
よくロッシーニの作品を流して気持ちを奮い立たせています。
アジリタと呼ばれる細かくて早い音の動きが良い影響を与えるのかもしれません。
労力がかかったり、なかなか気が進まないことをする前に
同じ音楽を聴き、それが習慣になれば、
その音楽を聴くだけで自ずとやる気スイッチが入ると思います。

ちなみに自分は高校の頃、勉強をするときには
必ずクラシックを聴いていたので、部屋から音楽が聞こえる時は
勉強をしていると条件反射的に母に思われていたようです。
実際には聴き惚れて手につかずの事が度々ありましたが…。

次回の「木村雄太の声楽タイムズ」もどうぞお楽しみに!

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