【読書メモ】科学から理解する 自閉スペクトラム症の感覚世界(井手正和 著)

じっくり読めなかったので、またの機会に図書館へ。特に今回メモしたい箇所を以下にまとめ、または抜粋。

【読書メモ】
科学から理解する 自閉スペクトラム症の感覚世界
井手正和 著(2022/8/12発行)
https://www.amazon.co.jp/dp/4760826858

神経伝達物質によって、興奮と抑制の2つの作用がある。
GABA(ガンマアミノ酪酸)は神経伝達物質で、抑制性をもつ。
ASD者で、運動前野のGABAが少ない人ほど日常的に感覚過敏の症状が強く表れていた。
ASD者の死後脳を調べると、GABAを受けとる部分(受容体)が減っていた。
現在はMRIを使って、生きている人の脳内のGABAの量を安全に測れる。
GABAは体外から接種しても脳には直接取り込まれないと考えられている。
p.42

ASD者では脳の感覚処理に関する部位におけるGABA濃度の低下が神経の興奮状態を促進し、それが感覚過敏に結びついているという研究を紹介しましたが、不安によって生じる扁桃体の活動は、この興奮状態をさらに高める可能性が考えられます。
感覚過敏がストレスや不安といった心理状態に影響されて強くなるということを当事者の周囲の人が知り、過敏を強く訴えているとき、その原因となっている不安要因などに配慮し、回避できるサポートに結びつくことが望まれます。
p.140

弱い中枢性統合理論(WCC)
 木を見て森を見ず
 ASD者は細部の処理を優先し、全体の処理をおろそかにする。
 →エビングハウス錯視、ポンゾ錯視の実験結果で支持される

知覚機能亢進仮説(EPF)
 木を見ているから森を見ない

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