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1年9ヶ月かけた新サービスをリリースしました

2022年7月20日、パーソナライズフレグランス「lovepassport mila」をリリースしました!

「好きを、香りに。」
をコンセプトに、簡単なアンケートで自分の好みにあったフレグランスがパーソナライズされる、EC専用のフレグランスアイテムです。

リリースに合わせて発表会も開催しました!

発表会では実際にパーソナライズ体験もしていただき、メディアさん130名きてくれて、ひさびさのオフラインイベントは大盛況でした。

ステキな動画もつくりました。

このプロジェクト、並々ならぬ想いでリリースまでこぎ着けたので、その経緯や考えたこと含めてちょっとだけご紹介させてください。

人生に1度あるかないか

これまでリリース済の事業運営したり、新事業の途中からジョインしリリースまで開発したり、新事業を提案したり、などなどやってきました。

ただ自分が企画した事業を、自分が(みんなに助けられながら)開発して、リリース後の運営もしていく、ということはありませんでした(特に自分の描いた理想通りには)。

これって人生に一度あるかないかじゃないかなーと思います。
大抵の仕事はリリース後のプロダクトの運営が多くって、リリース前でも最初からというよりは開発人員が足りないから途中のジョインだったり、自分が企画した新規事業も思い通りにすすめられなかったり、そもそも承認がおりなかったり。あとは代理店としてコンサル的に参画するとかとかが多いです。
最初から最後までをやりきることって(起業でもしないと)かなりレアなんじゃないかなと思います。

そして今回、本当に最後の最後までやりきれて、かつ理想通りの最高のサービスができあがりました。ここまでは本当に大変だった…

そしてこっから超長いんで
①最初の提案は大変でした
②売れると思った理由(ここが長い)
③フィッツコーポレーションさんとの出会い
④超最高なプロダクトができあがった
⑤フレグランスって楽しいよね
⑥最後に

の順番で書いているので、興味あるところや見出しだけでもかいつまんでみてください。

①最初の提案は大変でした

初回の提案は1年と9ヶ月前の2020年10月23日。結構長いプロジェクトです。
社内で新規事業をみんなで考えようという回で提案しました。この前に一度ブレスト会があって、そこで発散させたアイデアを自分の中で咀嚼し1事業としてまとめたものです。
自分としては後述するいくつかのファクトから、かなり気合の入った提案でした。
が、結果としては最初はあまり賛同を得られませんでした。

香水の市場規模

香水やボディフレグランスだったりと、香りアイテムはみんな何かしら買ったことがあると思いますが、日本の香水市場というのは海外と比べてかなり小さいです。
香水は欧米が強くって、フランスやドイツは2000億円規模あり、人口での単純比較だけだと3000億円くらいあってもいい日本市場ですが、実際は400億円規模です。スキンケアが1兆3000億円ほどで、ファンデーション&メイクアップでも1兆円ほどあり、リップやアイメイクはそれぞれ1000億円以上あるなかで、海外と比べてカテゴリ相対的にも小さめです。
海外ブランドが参入してもことごとく売れないため、日本は香水砂漠と言われるくらい厳しい市場です。

なぜ売れないのか、よく言われるのが日本人はお風呂が好きで清潔なので、香水で香りをまとうよりも、石鹸や洗剤の香りをまとう方を好んでいる、と言われています。
またユーザーインタビューなどでわかってきているのが、日本人はそもそも「香水」というものにちょっとネガイメージがあります。
「あの人、香水くさくね?」という会話は絶対したことあるはずで、それはもはや香りの良し悪しとはちょっと別の所で、香りの強度が強いことへのネガイメージがあります。目立つことを嫌う国民性からも、香りの自己主張を否定的に捉える面があるかもです。
またその結果強くあるのが「自分が香水くさいと思われたくない」と周りの目を気にする意識が芽生えて、自分で香水を買うことをためらってしまうのかもしれません。

ECでは香りをかげない

そもそもで化粧品自体がECでは売れづらいとされていて、理由は「試せないから」というものです。
百貨店ではタッチアップできて、ドラッグストアにいっても試供品があるなかで、試してみることができないECで化粧品は売れないでしょ、という定説です。
なかでも香水は、香りで選ぶんだから、ECで売るのはめちゃくちゃ難しいでしょ、という意見は根強くあります。

市場規模が小さい × EC向きではない
という2点が反対意見として強く、新規事業がすぐに承認とはなりませんでした。

②売れると思った理由

そんな売れない理由は重々理解しているなかで、じゃあなんで提案したの?です。
それでも僕はなんで「パーソナライズフレグランスは売れる!」となぜ確信していたか、です。ここ、長いです。

香水が売れないのは「自分で決められない」から

インタビューなどで判明した香水をはじめて買うきっかけは、

  • 学生の頃友達と買ってみた

  • 誕生日などでプレゼントされた

が圧倒的に多いです。
自分の香りは自分ではわからない、ということはみんな知っているので、はじめるきっかけには友達など周りの意見が絡むことが多いです。定量アンケートでも、香水をつけない理由の約35%が「どんな香りがいいかわからない」というものでした。つまり自分で決めれないということです。
そして、そういったはじめるきっかけを学生自体に失ってしまうと、年齢を重ねるにつれてなかなか香水を買うことができなくなっていきます。

今回提案したパーソナライズフレグランスでは、そんなはじめるきっかけを失った香水ビギナーをターゲットにしました。

パーソナライズとは、いうなれば「代わりに決めてあげる」ことです。
なにが自分に合っているかはわからないけど、その決めるストレスから解放し、代わりに自分に合った最適な香りを提案してくれるパーソナライズは、香水をはじめるきっかけを失った方には最適だと考えました。

また自分で決めれない人をターゲットにすると「ECでは香りをかげない」というデメリットも消滅します(もちろんちょっとはあるんですが)。
むしろECのいつでもどこでも買える利便性は、決めることにストレスを感じてる方々にはプラスに転じると考えました。

パーソナライズとオーダーメイドの違い

これは色々考えがあるんですが、僕の中でパーソナライズとオーダーメイドには大きな違いがあると思っています。
オーダーメイドは、たとえばスーツのようにサイズやデザインなど自分の希望がある人が自分の理想通りに決めていく、というものです。
一方パーソナライズは逆で、なにが自分に合っているかわからないけど、自分に合ったアイテムが欲しい、というニーズに答えます。
機能や成分とは別軸で、もう少し抽象的な理想に対して、近づけていく作業がパーソナライズです。

そんなパーソナライズと香りはとても相性がいいと思っています。

好きな香りがあって、自分が好きな香りを使うことに抵抗のないかたはパーソナライズは意味がなく、むしろオーダーメイドすると良いです。
ただ好きな香りが自分に合うか不安、という方にはパーソナライズが合っています。
究極、自分に合った香りは自分にはわかりません(自分の香りを自分でかぐことはできないので)。
そんな曖昧さと、パーソナライズの相性は非常に良いと考えています。

市場規模が小さい = 潜在顧客が多い

上述の通り、日本の市場規模が小さい理由のなかに僕は「香水を使いたいけど、自分では決めれない人」が多数いるんじゃないかと思っています。
つまりそれは(めっちゃよく言うと)潜在顧客がいっぱいいるかも、ということです。市場規模が小さいことはチャンスなんじゃないかと思ってます。

香水を普段つけている女性は約30%いて、また香水をつけない理由に「どんな香りがいいかわからない」人が35%いる、というデータがあります。
香水をつける女性30%で400億円の市場をつくってるとし、つけない70%のうちの35%が潜在ターゲットとしたとき、24.5%の人が潜在層がいます。その人達が普段つけている人と同じだけの単価をだしてくれれば300億円ほどの市場が眠っています。
実際はメンズもあるし、普段つけない人が同じだけの単価を出してもらえるとは思えないですが、いうてもそれなりに潜在的な市場があるんじゃないかなーと思っています。市場規模が小さいことはチャンスかもしれません。

日本人はむしろ香り好き

香水の市場規模が小さい = 日本人は香りが好きじゃない
となんとなく考えがちですが、あながちそうじゃないんじゃないかなーと思ってます。

よく見渡すと、たとえば洗剤/柔軟剤や、シャンプー/リンス/ボディソープ、スキンケアなどなど、機能性が重要な商品にも香りを謳う商品はとてもたくさんあります。しかもそれら商材では機能でバリエーションではなく、香りの種類でバリエーションがたくさんあることも多いです(特に柔軟剤やヘアケア)。ふとCMやweb広告を見渡すと機能性以上に香りを訴求しているものもたくさん見られます。

また周りの目を気にする国民性なら、自分の匂いというものはとても敏感なはずです。香水の香りが強いのは嫌だけど、体臭が臭いのは絶対イヤ、が本音のはずです。そのバランスを捉えることができれば、香水砂漠の日本でも受け入れられるブランドになっていくんじゃないかと思います。shiroとかがそういうブランディングっぽいですね。

香りと広告の相性

あと具体の話ですが、じゃあ集客どうするのというときにECなのでweb広告がメインになってきます。
実はInstagramでの広告やバナーの広告で、香り訴求はめちゃくちゃ当たります。「香るスキンケア」のN organicや、うちのMEDULLAも「香水シャンプー」という訴求を多く使っています。
ECの集客メインになるwebの広告において、香り訴求が当たるのであれば、香りが主体のフレグランスアイテムはECで売りやすいんじゃないかなと考えてます。

むちゃくちゃ長くなりましたが、

  • 香水が売れないのは「自分で決められない」から

  • パーソナライズと香水の相性が良い

  • 市場規模が小さい = 潜在市場が大きい

  • 日本人はむしろ香り好き

  • web広告で香り訴求が当たる

といった理由から「香水ビギナーをターゲットにした、優しく香るパーソナライズフレグランスは売れるんじゃないか」と考え、めげずに提案を続けました。

③フィッツコーポレーションさんとの出会い

そんな中、良いご縁がありまして株式会社フィッツコーポレーションさんと出会うことができました。

フィッツさんは、ライジングウェーブ・オーシャントリコ・レールデュサボン・ボディファンタジーなどなど、オリジナルブランドから、海外ブランドの日本展開まで手掛ける日本最大手のフレグランス会社です。

そんなフィッツさんにあたためていたパーソナライズフレグランスの企画を提案してみると、お互いの課題感がスッとマッチして、良いお返事をいただくことができました。

ここからこの企画は本格的に始動することとなり、商品開発へと進むことができました。

協業の話などはプレスリリースを御覧ください。
FITSとSparty、ラブパスポートから新しく”パーソナライズフレグランス”「love passport mila」を発売

香水の商品開発は、とてもとても難しいです。
あまたある香料からトップ / ミドル / ラスト とバランス良く配合し、その香りに触れたお客様が喜んでもらう商品をつくることは、まさに奇跡の所業で、その配合は芸術と呼ばれることも多いです。
その芸術的な調香をフィッツさんが一手に請け負ってくださり、この商品を自信をもってお客様にお届け出来るものとなりました。

④最高のプロダクトができあがった

そして最高のサービスが出来上がりました!
トップページみてください!アンケートもぜひやってみてください!

デザイナーとして参画いただいた方々、カメラマンさん、動画ディレクターさんら、すべてのプロジェクトメンバーが最高のクオリティで仕上げてくれました。
商品もフィッツさんのおかげで本当に最高のものができあがりました。

お客様に届く箱やガイドブックも、とっても可愛いです。全員に見せにまわれないのが残念で仕方がないです。パスポートデザインのフレグランスガイドブック(これもフィッツさん監修で50ページ以上の超詳しいもの)もとっても可愛いです。

⑤香りって本当にたのしい

香水の市場規模が日本で小さく、使ってる人が少ない、というのは昔から聞いたことがありました。
それを聞いたときに僕が思ったのは、もったいないなーという気持ちでした。

香水に限らず、フレグランスというものはとっても楽しいです。
気分を切り替えてくれたり、自分の気持ちを高めてくれたり、褒められたら嬉しいし。単純に「いい香りだな」と日々思うだけで暮らしは豊かになります。

そんなフレグランスをそもそも使ったことがない、というのはちょっともったいない気がするし、使い始めるきっかけがあるだけでハッピーになれる人がいっぱいいるとしたら、サービスを作っていく人間としてはやりがいがあります。もっとみんなが気軽に使えればいいんじゃないかなと思います。

その良いきっかけになればと、香水の使い方や付け方を事細かくまとめたフレグランスガイドブックを作りました。
一回だけでも良いのでmilaで香水をはじめてくれてたら、そこから他社の商品も含めて、香水に興味をもってくれたら嬉しいです。

⑥最後に

長々とすみません。ここまでたどり着いてくれてありがとうございます。
色んな想い含めても、またとないチャンスという意味でも、今回のこのサービスは気合が入りまくってます。

ただちょー不安です。
色々自分なりに考えはありますが、すべて妄想で本当は全然違うかもしれないです。

ただこれだけ良いサービスを、最高のメンバーで作れたことは、本当に人生で一度あるかないかだと思っています。心のキャパを100とすると、不安が50で期待が1000くらいの感じです。

もしmilaに興味があって試してみたい!という方、ぜひぜひご連絡ください。
広告や集客のチャネルも色々トライしていきたいので、なにか良いアイデアあればぜひお話お伺いしたいです。
様々なコラボレーションもあるかと思いますので、お気軽にご連絡ください。

まさしくこれからが本番です。
milaを通じて一人ひとりがより輝ける、個性のある時代を作っていけるよう、今日もまた考えてみます。

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