【表現評論】『プリズムコート』 一風変わった恋愛SLG【ゲーム】
プリズムコートというゲームがあります。知ってる人はいるのかというレベルのマイナーゲームです。初代プレイステーション1で発売されたゲームで、高校の女子バレー部のコーチになって部員を育成する、恋愛(はおまけの)シミュレーションなんですが、後にも先にも、これと同じの題材のゲームは存在しないじゃろ、ってくらい貴重なゲームですね。
恋愛SLGじゃなくても、バレーのゲームって現代で出てるんですかね。バレーの人気自体も、このゲームが出たときよりは結構下がっているように思うので、今後もプリズムコートは唯一無二のジャンルなんじゃないでしょうか。初代プレイステーションの黎明期って色んななメーカーが参入して、実験的な作品が多かったんですよね。プリズムコートも、その手の一風変わったゲーム群の一員です。
部員は6人しかおらず、誰か怪我したら終わりな感じのバレー部ですが、そこはゲームなので誰も離脱はしません。。キャラクターはパワー自慢でコントロールの悪いアタッカーや、背の小さいレシーバーなど、典型的なキャラが揃っていますが、その点で語るべきところは少ないですね。シナリオ面で語るところも少ないです。シナリオが(主な)魅力のゲームじゃないです。今から見ると、キャラクターはかなり古く感じると思います。古いゲームだから当たり前ですけど。でもそれを補ってあまりある魅力があります。
プリズムコートの素晴らしいところは、なんとバレーボールの部分なんですね。このゲーム、鍛えていない最初の頃はめちゃくちゃ下手くそなんですよ。試合やってもろくにボールも拾えないし、トスも上がらないし、スパイクも打てないしみたいな。パラメータが低いとまともにプレイできません。
ということで、シミュレーションゲームらしく部員に練習させたり試合させたりして鍛えていくわけですが、ゲームが進んでいくと、段々バレーボールの動きらしくなっていって、レシーブは上がる、トスも上がる、必殺スパイクも覚えるみたいな、見違えるように上達するところに、このゲームの面白みがあります。
ポジションも自由に変えられるので、脳筋っぽいキャラにセッターやらせたり、背の低いキャラをアタッカーにするのも自由で、プレイする度に変わったことが楽しめるところも、シミュレーションゲームと優れている点です。周回する毎に発見があるのは、良いゲームの特徴でしょう。バレーは選手人数が少なくて(通常6人)、役割が明確に決まっているので、この手のゲームとシナジーがあるのかもしれないですね。
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