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【表現評論】メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム コアレビューその12 麻尋ルート1【全作再プレイシリーズ】

●メモオフシリーズ、その他作品、様々なネタバレが含まれます。

⚫︎前回の記事

⚫︎ようやく本題に

ようやく#5の真打ちである麻尋ルートです。#5はこのルートのためにある。実質本編のリバースカットまでやっていきます。

⚫︎ルサックでバイト

あーだこーだで映画作りよりあすかちゃんの方が大事だろで修司ブチ切れするあたりまでは香月ルートと似たような感じです。麻尋を映画に誘うためにるルサックを訪れるあたりからレビュー開始。バイト先に春人が来て調子が狂ったのか、怒涛のポンコツ具合を発揮する麻尋。偉そうに登場して偉そうなこと言って虚勢張ってるけど、基本ポンコツですからね。ようやく人間らしい姿が見えてくる。落として落として上げる。ギャップで見せてくるスタイル。香月も似たような感じだったので、同じ芸ではないのか、という気もしますが。こっちのポンコツ具合は香月の比ではないという違いがある。

⚫︎映画当日

胸元全開。ネクタイは何のためにあるのか

麻尋にデニム以外の私服あったんですね。全然1ミリも覚えてなかった。なんせプレイしたの20年前ですからね。マジで。もう20年も経ってんの。ヤバない。そら年とりますよ。

来たはいいものの携帯は忘れる、映画のチケットは忘れる、全てを忘れてくる女。おしゃれに時間かけすぎたんじゃないですか。しかもどちらかというと、普段の格好の方がおしゃれ感ないか。新鮮さはあるけど。自慢の指差し確認も全く意味をなさないという体たらく。結局自前のチケットは麻尋に渡して自分で金を払うということに。

映画館で暗所恐怖症っぽいことがわかりますが、我慢して見ることに。恐怖心を抑えるためにお互い手を握り合ってます。もうこんなん絶対気がありますやん。夜にラストシーンのロケ地の森を見にいくと、ここでも麻尋はビビり散らかしてずっと腕を握っているという事態に。弱点だらけですよこの人。稀に見えるポンコツっぷり。

⚫︎今日あすかちゃんに告白したから

という怪メールが届きます。そんなこといちいち報告してるから駄目なんですよ。オズ先輩は。春人の許可なんかいらんし。欲しいならお前の手で掴み取れ。

⚫︎ようやく映画撮影

やっぱ映画作りはワクワクするという春人君。

嫌そうに高校の制服を着る社会人女性

麻尋のこの衣装、制服なのか。修道女にしか見えないんですが。そういう系統の学校? 他の作品でこんな制服の学校なかったよね。千羽谷第一高校の制服らしいけど、ネーミング的にミッション系の学校とも思われない。なんちゃって女子高生が見れるのは#5先生だけ!

この日の撮影は順調に終了。演技は上手いらしいが、ノベルゲーなので演技が上手いかこちらにはわかりません。身振り手振りまで見えないし。

⚫︎雄介の事故現場

に何か脚本のヒントがあるんじゃないかと思って向かう春人。分かったのはビルの8階から麻尋の父親と転落した。その前に男女3人の口論があった。男女3人は麻尋と雄介と麻尋の父親だと推測される。こんな感じの話です。分かったというか主人公は元から知っていた情報ですが、ユーザーにとっては新情報です。

⚫︎撮影テープがぐちゃぐちゃに

部室に戻ると香月&ぐちゃぐちゃになった撮影テープを発見します。お? 嫌がらせか? それを見て麻尋は逃亡。木瀬師匠がそれを追いかける。香月は自分がやった、こうするしかなかったと主張しますが真実はよくわかりません。撮影テープというのが時代を感じさせますね。現代だと撮影テープなんて、特殊な効果を狙わない限りは使わないないんじゃないのか。なぜこうするしかなかったのは不明。一体誰が何の目的でやったのか。でもさぁ。映画よりあすかちゃんだろ問題は全然解決しないまま始めちゃってるからね。春人君も悪いよ。自分で周りを説得しないと。

⚫︎木瀬師匠の黒歴史

木瀬師匠は香月がテープ壊したのは事情があるんじゃないかと言います。私も、ついこないだまでそういうことしてたからと。前作やってないとわからないネタ。後輩と一緒になって雅をイビってたからね。あれは雅師匠が悪いんだけど。99%くらいは師匠の自業自得。後の1%は上級ババアが悪い。でも制服を焼却炉に突っ込んだのは別の人って言ってなかったっけ。他にも余罪があるのか。ありそう。

⚫︎やっぱ私嫌われてんのねという麻尋

そらそうですよ。残念ながら雄介の関係者に積極的に好かれる要素はない。春人がおかしいんですわ。でも映画作りだけは絶対にやると決めているようです。

「たぶん、この先どんなにイヤなことがあっても、映画作りを嫌いにはならないと思う」
「だって、河合くんが、一緒に映画を作ろうって言ってくれたとき、すごくーー」
「嬉しかったから」

「私、あのときの嬉しかった気持ちはーー」
「きっと、一生忘れないと思う」

「オレは、お前のこと、邪魔者だなんて思ってない! 絶対に!」

メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム

麻尋にとっては雄介が死んでから1年越しの願いが一歩進んだ瞬間ですからね。総スカン喰らってる中で、唯一の光みたいなもんですよ。この1年くらいも、何も良いことはない生活だったでしょうし。1年というか、人生事態ロクなことがなかったわけですが。春人もオレだけはお前の味方だと強く宣言します。もう主人公の麻尋への思い入れがすごいですよ。いつの間にこうなったんだ。頭撫で撫で事件からか。雄介といい、春人といい、色んな意味で男を落とすことには定評があるらしい。ファム・ファタル。

⚫︎あすかの電話

無理やりキスしてから、一切話をしていなかった人。要領を得ない会話だけど、要は麻尋じゃなくて私を見ろ、という内容です。謎にずっと謝ってるけど、まさかあのテープお前がやったんか、という疑念が湧く。細かい内容は本当に忘れてます。

⚫︎映画よりあすかちゃんだろ! その2

修司があすかちゃんのために今すぐ撮影をやめろ! とわざわざ言いにきます。うるせえ! ボコー! とはなりませんが、一触即発の状態に。あすかは1年前に戻ったみたいに元気がなくなったらしい。

「こないだも言ったけど、一番に考えてあげなくちゃいけないのは、あすかちゃんのことだろ」
「1年前、約束したじゃないか」
「あすかちゃんのこと、僕たちふたりで絶対に守ろうって。もう二度と、あすかちゃんをあんな風にはしないようにって」
「忘れちゃったの?」

メモリーズオフ#5 とぎれたフィルム

毎回のことだけど、これ完全に正論すぎるんですよね。たかが映画ですよ。マジで。人間ひとりを犠牲にする要素あるか? 雄介の願いのために雄介の妹を犠牲にするっておかしいでしょ。現状では、麻尋と、春人の脳内にある雄介の願いのために、あすかを犠牲にしているとしか解釈しようがない。オズ先輩のいうことが正しい。

さらに、あすかに告られたけどさ〜、断ったんだわ。だからオレに遠慮する必要ないし、あすかの方がしばらく会わないっていうし、お前に任せるわ〜などと言い出し、修司に思いっきりぶん殴られます。

この主人公結構ヤバないか。人畜無害タイプと思いきや、ナチュラルクズの要素がある。ショーゴ君と同じ系統。後から来た女と、僕が考える雄介の願いをひたすら優先して、修司との約束を破ることはなんとも思ってないらしい。主人公がそれで良いんですかね。翔太君の爪の垢を煎じて飲ませたい。

暴力現場を見ていた麻尋はトラウマがフラッシュバックして茫然自失の状態になります。で、それを見た春人はなぜか修司に逆ギレ。修司は、お前変わっちまったな、と言って立ち去ります。もう完全に麻尋に骨抜きにされてますわ。殴られた拍子にカメラを落として撮影もおじゃんに。

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