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いつかの記憶、いつかの未来

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フルーツサンド屋「日々果」の日常、4作目。BLです。
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#BL小説

【BL連載】いつかの記憶、いつかの未来06

   城慧一・3

「城さんから、兄にもっと表に出るよう言ってくれませんか?」
 と、歩ちゃんが言ってきたのは、歩ちゃんが大阪に帰る当日のことだった。

 赤いキャリーケースを引いて店内に現れた歩ちゃんは、フルーツサンドを三つと甘夏サンドを二つ購入した。
「大阪まで?」
「はい。あ、でも、一つは帰りの新幹線で食べます」
 三、四時間くらいか。長時間の持ち歩きはオススメしないが、できる限りの対処はし

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