alt ➕F4

どうなってると？どないなっとんねん？

パソコン初心者の私は、真剣に画面を睨みながら、方言ごちゃごちゃでぼやいた。

私は福岡出身であり、高校を卒業してから大阪で１０年間一人暮らしをしている。よって、方言が混ざっている。博多弁と大阪弁の方言ハーフだ。

最近、新しい事にチャレンジをしようと思って、なんとなく前々から興味があった、プログラミングを始めてみた。

そんな、ネットにある、プログラミングの練習問題を夜中に解いている時の事。

「〇〇¥となるように出力して下さい」

解答の記述に、半角の￥が必要になった。他の記述は奮闘の末終え、¥が最後のピースとなっていた。
キーボードで打ってみたが、全角の￥でしか入力できない。（読者の皆様もチャレンジしてほしい。）　
ググったり、今流行りのチャットgptに聞いたりもした。しかし指示通りに打ってもできない。

何故かできないよ？人類を超越したんじゃないの？

そんな時、問題文に記述してある半角の￥をコピーをして、解答欄に貼り付ければ、すぐ解決する事に気がついてしまった。
しかし、もう遅かった。私の心はすでに、ショートカットキーを用いた入力方法を探求する冒険に引き込まれていた。
僕の良いとこでもあり、悪いとこでもある。
皆さんはどうなんだろう？
探求するよね？

全角の￥をカーソルで選択して、半角の¥に変換するという、やり方を見つけたが、泥臭くて美しく無い。
　こんなやり方、僕が目指している形ではない。
スタイリッシュにパソコンをカタカタ♪と奏でたいのだ。

泥臭いよなあ

でも、奮戦虚しく、諦めようとした時、自分には心強い暇人達、いや、最強の友人達がいる事を思い出した。みんな集まれば文殊の知恵、解けない問題はない。

僕は、グループLINEを開いて、眠りかけの友人達を通話に呼び出し、熱心に、この事情を説明した。しかし、彼らの反応は思いのほか悪く、パソコンの前に移動して、この難問を共有する気配は、微塵も感じられない。彼らは、布団の温もりから逃れられないみたいだ。
その内、全然違う話題で盛り上がり始めた。さらに、内一人のY 君は眠いから寝るといって通話を切ってしまった。
もうダメや、もうあかんなとなってた時。

alt➕F4同時おしたら、半角なるらし

Yは凄い頼りになる友人の一人だ。情がある。

とY君がグループLINEに書き込んだ。彼は書き込んだ後すぐにグループ通話に復帰した。
寝てないんかい。なんやかんや、優しいやつである。
自分は、通話口で彼に

調べてくれたんや、優しいな。で、これを押すと半角の¥がでるということかい？

と聞くと、うん！そうだよ！と答えてくれた。
他のみんなは、黙っており特に異論は無さそうだ。

解答を記入する画面を開き、遂に決着かと、安堵感を抱きながら、alt＋F4を押す

画面が閉じた。代わりに今迄隠れていた、デスクトップ画面が映し出される。

あれ？何が起きたんだ？解答欄は何処にいった？

長年の付き合いで、忘れては、いけなかった事がある。彼等は優しいが、イタズラ心もあるという事だ。私はそのハーフさに、今迄もよく騙されていた。

どうも、alt＋F4は、今開いている画面を、閉じるという、ショートカットキーらしい。
画面が、きえたんやけど！と、叫ぶと
皆に、そんなん当たり前やんと答えられる。
こんにゃろう、わざと黙っていたな。

みんな、めちゃくちゃ笑う。僕もめちゃくちゃ笑う。笑い過ぎて、プログラミングに苦戦？していたストレスもどっかに飛ぶ。やっぱり友人は大切である。楽しい気持ちになる。
でも信頼しすぎは、ほどほどにしよう。

やり切ったYは凄く気持ち良く眠れたそうだ。

半角を打つ、スタイリッシュのやり方は？というと、その後、やっぱり気になり、冒険を再開して分かった。￥を半角で打つには環境依存文字の関係で、残念ながら全角の￥をカーソルで選択して、半角¥に変換するという泥臭いやり方でしか打てないそうだ。　

気が付いたらとんでもなく夜更かしをしてしまった。
スタイリッシュさと、泥臭さも合わさって人生は、魅力的になり、美しい。
何事も、一つに偏るのではなく、ハーフくらいのバランスが良いんだ。
そう学んだことにして頭の中のalt＋F４を押した。