先日、YouTubeのライブ配信で一緒だった妹弟子が、日々の過ごし方について話してくれた。彼女は毎朝、「今日、自分が何をしたいのか」をじっくり考えるのだという。 その話を聞き、僕もやってみようと思った。 朝ではないがちょうど今コインランドリーで洗濯が終わるのを待つ時間があったので、自分自身と向き合ってみる。 まずは、自分の気持ちを整理する。日々は忙しいが、とても楽しい。仕事を通じて関わる人々は幸いにも良い人ばかりで、嫌な思いをすることはほとんどない。唯一の悩みといえば、やり
心地よい冷んやりした風、甘い金木犀の香り。やや暗い空。 早朝に家を出て、ぼんやり夢心地のまま秋を楽しみながら歩く。バイトが始まるまで、まだ余裕がある。少しずつ歩を進めると、足元に転がった赤い落ち葉が目に入る。ふと、故郷の花が頭をよぎる。 公園の中を突き抜け、街の中心街に出る。働きに行く人々が駅に向かって流れを作っている。私はその流れに乗る。駅のホームに立ち、電車を待つ間、なぜか緊張感が胸に広がる。あの国にいたとき、朝はもっと静かで、人々の足取りもゆっくりしていたことを思い出
今日は「社団戦」という団体戦に参加してきました。社団戦は、社会人などが有志でチームを組んで戦う大会で、毎年、6月から9月(場合によっては10月)にかけて、合計4回、毎月一回ずつ行われます。今日はその3日目。会場は浅草駅近くの東京都立産業貿易センターです。9時半頃に試合が開始されますが、9時からチームで話し合いをして、オーダーを決めようということになっていたので、私は朝8時に家を出ました。 電車の中では、仕事の勉強をしようと考えていたのですが、気がつけばスマホで将棋の中継を見
部屋は夕方の穏やかな静けさに包まれていた。テーブルの上には、ケンタッキーボックス、バーベキューソース、そしてメープルシロップがきちんと並んでいる。冷蔵庫から取り出したコーラをグラスに注ぐと、炭酸の弾ける音が静寂を心地よく切り裂いた。手に伝わる冷たい感触が、一日の疲れを優しく癒してくれる。 黄金色に輝くチキンが目に飛び込んでくると、自然に手が伸びた。箱を開けた瞬間、香ばしい香りがふわりと鼻先をくすぐり、食欲がさらに刺激される。ひと口かじると、カリッという音が耳に心地よく響き、
「これで本当に良いのか?20年も待ったんだろう?」神が静かに尋ねた。 サタンは微笑んで答えた。「ああ、これで良いんだ。20年待つことで、愛を理解できたから。それに、サンタには過去と向き合ってもらいたい。」 「サタン様、どこまでもついていきます!」ベルゼブブが涙声で叫んだ。彼の目には、サタンへの深い尊敬と忠誠心が宿っていた。 神はしばらく考え込んでから、小さく頷いた。「愛を理解するサタンか…それも悪くない。今じゃ人々は恐怖を楽しんでいるし、時代が変わったんだな。」 サタ
雪が深々と降り積もる小さな村。この村は、長い冬の間、寒さと貧しさが支配していた。かつてこの土地は、豊かな田畑に恵まれ、クリスマスの夜には村全体が喜びに満ちていた。しかし、戦争が全てを変えた。村は焼かれ、男たちは徴兵され、帰ってこなかった。村人たちは病に蝕まれ、死が静かに、しかし確実に迫っていた。特に子供たちは、飢えと病で日に日に弱っていった。 その夜、サンタクロースが村にやってきた。彼はかつて、この地で喜びをもたらしたことを覚えていた。おもちゃと暖かい毛布を持参し、子供たち
「サンタ!聞いてくれ!」サタンはドアを開け放ち、息を切らしながらサンタの前に立った。Tシャツにパンツ一丁のサンタは、相変わらずゲームをしていたが、サタンの必死な様子にゲームを一時停止した。 「どうしたんだ、そんなに慌てて。」サンタは不思議そうにサタンを見上げた。 「20年だ!20年ぶりに、あの少年が俺を求めたんだ!『また悪夢が見たい』って…俺を呼んだんだ!」サタンは笑顔を隠せず、興奮した声で続けた。 サンタは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐにニヤリと微笑んだ。「そい
灼熱の夏の日、少年は学校でいじめられ、疲れ切って家に帰った。クラスのいじめっ子に嘲笑され、押し倒され、彼の心は沈んでいた。逃げ出したい思いが胸を締め付ける。 家に戻った少年は、気分を変えようと冷たいコーラを飲もうと冷蔵庫のドアを開けた。その瞬間、目の前に信じられない光景が広がった。冷蔵庫の一番下の棚に、小さなサンタクロースが座っていたのだ。 少年は驚いて立ち尽くした。赤い光沢のあるコートに、黒いマント、真っ白な髭が涼しげに揺れている。その非現実的な光景に、少年は幻覚かと思
皆さん、二度寝は好きですか? 突然ですが、皆さんは、二度寝について真剣に考えたことがありますか? 僕は二度寝が好きです。これから話すのは、ある休日、布団にごろつきながら二度寝について真剣に考えた、いや、僕の阿呆な妄想の話です。 二度目のアラーム音で目が覚める。 「今日の二度寝はあまりにも気持ちが良いなあ。」 日曜日、窓から外を見ると、蒸し暑そうだ。 夏らしい、眩しい日差しが射している。なのに、僕は布団をかぶって寝ている。部屋にエアコンをガンガンに効かせ、涼しいからだ。
皆さんは、昔嗜んでた物、例えば、音楽やドラマ、映画、漫画を聴いたり、観たりした時、懐かしい気持ちが起きませんか? 僕は、懐かしい気持ちと同時に、当時の思い出がフラッシュバックをする事がたまにあります。 僕は、その現象を思い出流星群と呼んでいます。 頭の中に、昔の思い出が、当時の気持ちが、多数降ってくるからです。 そんな、僕の流星群が起きた1日の話をしたいと思います。 「起きたくないなぁ」 朝、アラームの音が部屋に鳴り響く。 何だか最近元気がない。環境が変わり、やる事が増え
奨励会を退会してから、社会人になって一ヶ月が経ち、少しずつ生活に慣れてきました。 そんな仕事の日のお昼のことです。 手早く、お昼を済ませて僕は公園に向かった。 今日は天気が良い。気温は、前日雨だったからか少しばかり寒く、服を半袖にしているのをやや後悔していた。 いやぁ、仕事が思うようにいかないなぁ。 一人ため息をつきながら公園の椅子に座る。 公園の自販機で買った缶コーヒーを半分ほど、ぐいっと飲み、身体を少しばかり後ろに傾け、首を曲げ空を見上げた。 考え事がある時、少しばか
4月になって、ようやく例年より長い冬の寒さが終わり、心地よい涼しさの春になりました。そんな日、僕は新宿へ買い物に出掛けようとしていました。 外は晴天で、売り場まで歩いて行っても一時間もかからないと姉から話を聞いていたのもあり、僕は徒歩で向かうことにした。現在僕は東京で姉の家に居候している身。節約も兼ねて一石二鳥である。 颯爽と家を出る。僕は、つい数日前まで大阪に住んでいて、東京の土地勘は殆どない。このような時は、文明の利器であるGoogle MAPを使うのが定跡としたもの
現在私は大阪で引っ越し作業中です。物をどんどこ捨てています。 奨励会を退会後、先日幸いにも、東京での就職が決まりました。 そのため、新天地に移ることになり、10年前に地元である福岡の高校を卒業をしてから移り住んだ、大阪の一人暮らしの家から離れることになります。 10年間となると、家には沢山の思い出があるし、当然ながら、物も沢山あります。悲しいかな、私の力では片付けが思うように進まず、2日前に母が福岡からわざわざ手伝いに駆けつけてくれました。 ________________
どうなってると?どないなっとんねん? パソコン初心者の私は、真剣に画面を睨みながら、方言ごちゃごちゃでぼやいた。 私は福岡出身であり、高校を卒業してから大阪で10年間一人暮らしをしている。よって、方言が混ざっている。博多弁と大阪弁の方言ハーフだ。 最近、新しい事にチャレンジをしようと思って、なんとなく前々から興味があった、プログラミングを始めてみた。 そんな、ネットにある、プログラミングの練習問題を夜中に解いている時の事。 「〇〇¥となるように出力して下さい」 解
僕の将棋人生の感想戦をたくさんの人にお読み頂き、温かい言葉も頂いて大変嬉しかったです。おかげさまで次に向かって歩み始めることができました。 皆さんありがとうございます。 今回は退会が決まった日について当時の気持ちが残ってるうちに書き残したいと思います。ようやくこの日についてちゃんと向き合える状態になりました。ぜひよろしければお読みいただけますと幸いです。 2024年2月3日。 連敗したら退会という状況で、この日を迎えて対局に臨んだ。奨励会生活の15年間が、終わるかもしれ
僕には好きな匂いがある。 地元の匂いだ。 僕は福岡出身で大阪に高校を卒業してから10年一人暮らしをしている。 大阪に出て一年を過ごし正月になって、実家に帰省した時のこと。 地元の福岡に着いて、街を歩いた時その匂いがした。 何だがちょっと幸福感もあり、何だか寂しさもある気持ちになる。でも何だか暖かい甘い匂いだ。 再会の匂いと言うべきだろうか。 僕は昨日、大阪に帰って来た。一週間程東京で過ごしてたから久々だった。 東京から大阪に新幹線で向かい、環状線に乗り換えて大阪の福島駅