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アスエネ、リブランディング・ストーリー「世界は本気で変えられる。」

はじめまして、これが「ASUENE CEO BLOG」の第1回目の投稿となります。僕が代表取締役CEOを務めるアスエネ株式会社は、6月12日にコーポレートリブランディングの実施を発表しました。2019年のアスエネ創業以来、ロゴ・コーポレートビジュアル・メッセージの改訂など、これほどの大規模な刷新を行うのは初めてです。


1.「伝わらない」からの脱却

今回のコーポレートリブランディング構想のはじまりは、1年前にさかのぼります。

きっかけは、IT業界の某有名上場企業の社長に経営の壁打ちのため面談の時間をいただき、事業の立ち上げ・進捗、課題に対する施策、競争優位性による差別化戦略など、アスエネについてプレゼンしたことでした。そこで社長から言われたのが「事業の立ち上げ方、営業の仕組み化、強いカルチャーの醸成など、アドバイスがないほど、ほぼ完璧。言うことない」との言葉をいただきました。一方で、「プレゼンをきけば強みが理解できるけれど、このLPやサービス・コーポレートサイトを見るだけだとミッション・ビジョン、将来どういう世界を創りたいのかが伝わらない。もっと他社のブランディング研究、自社のミッション、ビジョン、価値観をどういう言葉や映像やビジュアルで表現していくべきか、もっと時間を使った方がいい」と言われたんです。

この言葉は正直ガツンと響きました。たしかにアスエネを起業して以来、初期にサービス名やロゴの変更をしたことがあったものの、我々のミッション・ビジョン・バリューや目指したい世界を社内外にどのように表現して伝えていくか、どのようにブランドを目指していくのか、充分に議論と言語化ができていませんでした。これは本気で考えてアクションしていかなければならないと、想いを新たにしたわけです。

そこから、さまざまな他社の優良ベンチマーク企業の動画やクリエイティブなど表現を研究し、社内の広報チームや社外のパートナーと共に、言葉やイラストなどアスエネが表現するべき内容がなんなのかを突き詰めていきました。その過程で思い至ったのが、今回の大規模な「リブランディング」でした。

コーポレートステートメントを新たに作成し、ミッション、ビジョンを改訂。第一弾として、24年3月にコーポレートロゴのリニューアル版を発表、6月にコーポレートサイトのデザインを大刷新しました。これまでより明確に、僕らが目指したい世界についてを言語化する手段と表現を考えて、メッセージを打ち出しました。

2024年3月に発表のアスエネの新しいロゴ、グローバル・信頼性・先進性がキーワード

ここに至るまでには沢山の時間がかかっていて、外部パートナーとともに、社内のプロジェクトチーム立ち上げを実行。僕とのインタビューを2時間×複数回重ねた結果、できあがったのが今回のリブランディングの表現です。

2.「世界は本気で変えられる」への挑戦

これが、新たに作成したコーポレートステートメントです。

新たなコーポレート・ステートメントの文章

世界は本気で変えられる。

気候変動への対策。
脱炭素の実現。
持続可能な経済。

次の世界を作るのは、
今の世代の本気だと思う。

アスエネは、日本から、世界の未来を変えていく。
テクノロジーにできることがある。
人のつながりにできることがある。
地球と経済が結びつけば、未来は本気で変わっていく。

脱炭素への取り組みを、私たちは可視化する。
今を見つめることからしか、未来は見えてこないから。

今を生きる大人には、
この星の未来をよくする責任がある。

前例はどこにもない。
人類にとって、最も困難な課題。
だからこそ、その挑戦には価値がある。

世界の先頭に立ちながら、
世界を変えていくことを、
あなたと本気で目指したい

このステートメントの背景には、2つの大きな課題と危機感がありました。

一つは、JCLP(日本気候リーダーズ・パートナーシップ)の視察団として気候変動の世界会議であるCOP27@エジプト、COP28@ドバイに参加した際に強く感じた、欧州・米国と日本の気候変動領域における官民連携の差です。

COP28@ドバイ JCLP個別会合セッション

新たな規制として、欧州のCBAM(炭素国境調整メカニズム)のように政府が義務化を伴う規制を主導し、民間企業がそれに追従するかたちで官民連携を行い、多くの海外企業を巻き込む仕組みをつくりインパクトを最大化している。アメリカではインフレ抑制法(IRA)が制定され、民間企業による脱炭素テクノロジーへの投資が順調に増加しています。
一方、日本は経産省主導のGXリーグ、GX-ETSや2040年を見据えた国家戦略「GX2040ビジョン」策定方針など、2023-2024年になってより脱炭素への動きが加速されてきていますが、我々民間企業がもっと政府と連携すべきアクション、CO2排出量が多い企業をどのようなインセンティブで巻き込むべきか、規制をどう変えるのが最適解なのか、官・民ともにまだまだ果たすべき役割や改善点が大いにあると感じました。

また、日本はメディアの観点でも、異常気象の事実が気候変動と因果関係がある形で報じられることが海外と比較すると非常に少ないという統計データもでています。異常気象や災害の発生確率や規模の増加、気候変動と猛暑の関連性などを国民が知る機会が少ないと言えるため、民間企業としては、気候変動の正しいFACTがもっと伝わるような啓蒙活動や発信を増やさす必要がある。
日本国内はもちろん、アジアやグローバル全体において、アスエネはClimate Techのリーダー企業の1社として気候変動問題の解決を主導していかなくてはなりません。

もう一つは、日本発のグローバル企業が久しく生まれていないこと。
1989年の日本では、「Japan as No.1」と経済・日本人の高い学習意欲・経営が称賛された時代がありました。その後「失われた30年」なんて言葉もありますが、戦後ソニーやトヨタやHONDAのように日本発のグローバル企業が多く輩出され、世界の時価総額ランキングではベスト10に日本企業が7社いた時代もありました。
私が住んでいたブラジルや多くの海外でも、日本の教育の質の高さ・勤勉性・日本企業は非常にリスペクトされていました。
こういった今の日本の豊かな暮らしや繁栄は、先人達のたゆまぬ努力によって成り立っていると僕自身は強く感じています。
ところが今の日本は、どうでしょうか。いま、日本は社会に対する閉塞感があったり、「日本はもうダメだ。脱炭素も遅れている」といったネガティブな言説も多い。どうせ日本はダメだと、世界へチャレンジする気持ちも失われてしまっていないでしょうか。

この2つの危機感を打ち消し、今の日本を変えたい。世界を変えたい。グローバルNo.1になりたい。アスエネにはそういった想いをもったチャレンジャーたちがたくさん集まっており、その責務もある。そんな想いを込めて、このコーポレートステートメントを作りました。

日本はもうダメだ。ネットゼロなんて達成できない。
日本が世界を変えられるわけがない。
日本が世界に追いつく、追い越すなんて無理だ。

そんな批判があるからこそ、反骨心をもって、本気で世界を変えることに大義がある。
アスエネは「世界は本気で変えられる」、この言葉をステートメントに掲げ、Never Give Upの精神でチャレンジしていきます。

一方、日本のスタートアップ業界でもメルカリの様なグローバルに果敢にチャレンジする企業がでてきて、これに続く新たなスタートアップも増え始めている。日本のスタートアップへの投資額も10年間で1兆円弱まで増加、日本政府もスタートアップ育成5カ年計画をつくり業界を盛り上げ、日本や世界を変えたいという仲間がどんどん増えてきています。アスエネもこのモメンタムを加速できるように貢献していきたい。

3.「次世代」にフルコミット

新しいミッションのビジュアルとキーメッセージ

新たなミッションとビジョンのキーワードは「次世代」と「変える」。
ミッションは「次世代によりよい世界を。」、新たなビジョンは「次世代を変える会社」を創ると決めました。

僕が「次世代」を意識するようになったきっかけは、子どもを授かった12年前のこと。それまでは「自分の将来をどうするか」ばかりを考えていましたが、自分の子どもたちのような将来世代が生きる未来、どういう社会や世界になるのが本当によいのか、本気で当事者意識をもって考えるように変わっていきました。

次世代が便利なテクノロジーと自然と共に共存し、一緒にいたい仲間たちと新たなチャレンジがどんどんできる。そんな社会は単純におもしろい。

だからこそ、次世代にとって最も困難な課題である気候変動問題の解決にフルコミットしたい、次世代のチャレンジャーを増やしたいとアスエネを起業しました。
まだまだ僕自身もアスエネも未熟ですが、起業や経営を通じて、今まで、そして今後、僕が学ぶことを将来世代に伝えていきたいという想いも持っています。次世代によりよい世界を残すためのチャレンジは、僕が死ぬまで実行し続けたいライフワーク、と位置付けています。


ビジョンは完全新しく策定

ビジョンの、次世代を変える会社。

これは、コーポレートステートメント「世界は本気で変えられる」を誰よりも僕ら自身が信じて、次世代を変えることをリードしていく存在にならないといけない。そのうえで、かつてのソニーやトヨタのように、アスエネは気候変動×テクノロジーの分野でグローバルNo.1に、そして次世代を変えることに本気でチャレンジしていく。そんな想いを込めて、新たなビジョンを掲げました。

今回のリブランディングに先駆けて、コーポレート&サービスロゴも改定しました。信頼性と先進性をイメージし、カタカナ表記の「アスエネ」は「ASUENE」に、社名もサービスも英語表記で統一したのは、ここから日本発でグローバルで本気で勝負するため。グローバルNo.1への勝負の第一歩です。

4.グローバルNo.1と社会インパクトの最大化

起業してもうすぐ5年。ようやくグローバルNo.1にチャレンジする切符を手に入れた。僕はそう思っています。

起業して間もないころに「グローバルでNo.1になる」といっても、誰も信じてくれなかったでしょう。でも今、CO2見える化クラウドサービスの「ASUENE」は、日本・アジアNo.1の導入実績があり、6,000社以上(2024年5月時点、当社調べ)のお客様にご利用いただいています。
2年前の拠点は日本だけだったけれど、2022年にシンガポール、2023年にアメリカに海外現地法人を設立することができました。フィリピンにも開発センターと新たな仲間ができた。
まだまだ立ち上げフェーズだけれど、海外の顧客実績やパートナー実績も増えてきています。

ITはアメリカに負けたと言われているが、気候変動×テクノロジーのGX(グリーントランスフォーメーション)の領域においてはグローバルNo.1になり、小さなインパクトではなく、社会を変えるほどの大きなインパクトを産み出せる。
これに挑戦していきます。

これまでの資本主義社会から、今は脱炭素・ESGといった概念が加わり、新たな産業変革が起き始めています。すべての産業に脱炭素が実装される世界、その産業変革をアスエネがリードしていきます。

COP27で一緒だった某超大手企業の社長から掛けていただいた言葉として、
「西和田さんやアスエネの様なスタートアップが成功することが、日本の未来を明るくする。だからこそ、どんどんチャレンジしてほしい」というものがあります。
人類にとって最も困難な課題である気候変動。脱炭素の起点となる、CO2排出量の見える化サービスや複合的な新たな打ち手を通じて、その解決にフルコミットしてチャレンジしていきます。
アスエネ、新たなフェーズへ。
本気で仕掛けます。

リブランディング後のアスエネ新コーポレートサイト
https://corp.earthene.com/

2024年4月の表彰式でのアスエネの仲間たち




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