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熱海 to 網代 視察2024

 新島村商工会青年部は、「衰退した観光地」の代名詞とまでなっていた熱海。

その地がどのように再生したのか? 

その答えを探しに「熱海の奇跡」の著者である、市来広一郎氏を講師に迎え、復活の地へ向かいました。

今回の視察は、セミナー(講習会)を現地開催することで、話だけでは感じられないリアルも体感し、より深い学びと交流になる機会を期待した初めての企画。


Day.1 移動と、熱海の夜

熱海までの道のりは高速ジェット船、新島発14:25→伊豆大島経由→熱海港着17:30(平日は17:00)と、乗り換えもスムーズで好印象。

このルートは盲点でした。そして帰りは、熱海発 9:10ジェット船に乗れば、大島乗り換え、11:45新島着が可能に。程よい距離感と往復可能な時間設定はとても◎

 翌日にセミナーを控えた8名は、市来氏が経営する宿@ゲストハウスMARUYAと、ホテルロマンス座カドに分かれ、 *リノベーション で再生された物件に宿泊。 (*既存の施設に新たな価値を与える)

2つの宿は熱海銀座の中央付近の立地にあり、徒歩30秒ほどの距離間で、受付はMARUYA。

チエックインの様子。
宿の予約は各々で行った結果、見事に4名4名に分かれるというバランス力w

タイプの違う宿はとても興味深く、シャッターが閉じていた施設の背景にある、歴史とストーリーを大切に残したコンセプトで見事に再生されていた

ワタシは裏路地にあるホステル ロマンス座カドに宿泊。そこは熱海最後の映画館『ロマンス座』の隣にある立地。映写機のある部屋に続く扉があり、屋上からも移動ができる、文字通り映画館と繋がった建物でした。元々は、熱海の芸者さんたちにも人気の呉服屋さんの店舗兼住居として使われていた建物をリノベーションされた物件。
この部屋のコンセプトは「文豪の息遣いを感じる部屋」
執筆や読書が捗るような机が印象的で、余計なものはない。もちろん各部屋、テレビもない。
この部屋ならではのギミックが素敵
1階にある、ひみつの本屋。
とても開けにくい鍵を開ければ、こんな写真も撮れる仕掛け。
その街にあるモノに新たに価値をつけて、来た人を楽しませてくれるアイデアに、ユーモアと愛を感じます。


 青年部視察の良いところは、いつもと違う環境で、異種事業者ならでの視点で語り、聴きあえること。

初日は移動日を急遽予定を変更して前倒し。
メンバー全員が無事に来れたことに乾杯です。
島からの視察は、いつも冷や冷や。。
商店街には現存しているピンクショー。
昭和の香りが色濃く残るエンターテイメントの景色が、懐かしくもあり新しく写る、熱海のまち。


 熱海の初日の2件目は、この地で50年間休まず飲食店を続けいてる80代が営む、おでん屋に決まり!
おすすめ上手な女将さん往年のおでんは間違いなく、熱海の繁栄から衰退、そして今を生きる貴重な話に8人は頷きロック。
リアルな時間を堪能しました。

ワタシたちのニーズにハマったお店がこちらw
おでんと日本酒、そしてカラオケでいっちょ上がり!
大変お世話になりました。
静かな日曜の夜。宿に戻って初日が終了。


Day.2 参拝と、宿のあさめし

2日目の朝、ワタシは徒歩5分にある♨️温泉とサウナが味わえる日帰り入浴施設で目を覚まし、その足でバスに乗り込み、ひとり来宮神社へご参拝。

樹齢二千百年を超える大楠が有名。早朝は静かに眺められるのでおすすめです。

参拝を終え、清々しい気分で、これぞ熱海の坂道をくだり、朝ご飯。

宿で提供される朝食は、300円のご飯と味噌汁、そしてBBQグリルのサービスのみ(2軒共通)。

商店街に干物の香りが漂い、道歩く人から見ても愉快な光景


商店街に位置する宿の前には、ひもの屋が軒を連ねており、自分が食べたい干物を選び、買う。

そして自ら干物を愛でるように焼き、ふっくらと火が通った魚を奥のラウンジで食べる。

余計なものはない。削ぎ落とされてシンプルだけが残った朝食は絶品グルメw


このような作業込みの朝食がとても面白い体験で、また来てくれるお客さんが多いようです。

さらに熱海の宿なのに風呂はシャワーのみ。
その代わりにスタッフが日帰り温泉の情報を丁寧に提供し、まち全体を楽しむことで、結果的に新たなファンやリピーターを増やし続けている。

宿のスタッフは観光案内のエキスパート。お客さんのニーズに的確な回答を戻してくれる。
しかしそんなスタッフたちも移住してきた熱海ファン!?


そういった仕掛けこそが、地域再生の鍵であり、この視察のメインであるセミナー講師;市来氏を迎えた大きな理由である。

Day.2 まち散策と、セミナー

セミナーの時間まで午前中は、熱海のまち歩き。
日常の中にこそ、そのまちの物語が詰まっている。
行けば感じる、この地の歴史
海へ抜けるナギサまでの道。
数えきれないほどの色恋沙汰と欲望を感じるエリア。
毎度ありがとうございます!w
世界三大間欠泉のひとつ
5分おきに噴出!

散策は、見どころが沢山ありすぎて半日では、足りない。
気づけばランチの時間がなくなるほどの視察を楽しみ、いよいよ目玉のセミナー会場へ。

市来氏は【100年後も豊かな暮らしができるまちをつくる】というミッションを掲げ、観光客を取り戻すことを優先するのではなく、その地域に住む人の暮らし方を豊かにすることが まちづくりのベースだと語る。

5年、10年先に私たちが住む地域がどんな姿になって行くのか?
そこに明るい未来を想像できるか?
島に住む人たちの心は、気分良く働き、豊に暮らしているのか?

来年は新島へお呼びしての続編を企画します。
まちづくりは行政も一緒に共感してくれないと目詰まり起こして進めない。

セミナーを終えた青年部たちは、市来氏の言葉を振り返りながら、今夜の滞在先のある網代へ向かいました。

熱海から網代までの列車は快適で景色も楽しめる

17時過ぎは無人の案内所。
熱海とは違い、のんびりと静かな雰囲気が落ち着く。

視察の宿予約、悩みを解決 〜事務局編〜

近年はホテルでの予約は行わず、一軒家を予約します。
今回のお宿は6名までは同一料金で、事前の予約から人数が増えても◎
結果、合宿のような感覚も味わえ、チーム力もアップ↑

イイ加減な距離感で心地良く
視察の一軒宿おすすめです


Day.3 大雨警報発令! 足止めもらって、オマケのワークw

宿の前は阿治古神社。
この地区も避難所の設置が呼びかけれていたけど、安心感がある立地でした。
ハイ、延泊決定!

記録的な大雨と共に、オマケの時間が降ってきましたw
8名は3つの行動に分かれて、やりたいことに充てる自由時間に。

そんな贅沢なオマケ時間を有効に使うべく、ワタシはAM作業してランチは徒歩5分のBUSHIMESHIさんへ

実は網代に宿を決めて、一番行きたかった店舗がココ

「鰹節を広めたい」と、コンセプトがバシッと感じるレストランは、もうすぐオープン1周年。
エンタメ感が溢れるサービスと料理はもちろん満足なのですが、とにかく従業員さんたちがイキイキと働かれてるのが、とても印象的。

削りたての香りの中でいただける多幸感
どシンプル


隣接する工場で働かれている、作業着姿の従業員さんたちの、挨拶が本当に自然でイイ!!!

店長に伺ってみると、この会社は社長の考えで「従業員ファースト」

トイレに掲示してあったスタッフ募集

BUSHIMESHIレストランで働くスタッフの休日は、工場勤務と同様に、土日祝、GW、夏季、年末年始。
なぜなら、地域に住む貴重な子育て世代にとって、働きやすいよう配慮(気持ちのデザイン)にされているそうです。(すごい、経営決断力)

まさに「従業員ファースト」

網代は2021年に小学校が廃校してしまうほどの過疎化が進む漁師町。

そのような環境下でも、新しいチャレンジを始められたBUSHIMESHIさんの事業母体は、株式会社 丸藤:昭和元年創業の98年目。

偶然にも現社長の母親から会社のお話を聴けました。
創業当時は鰹節を製造していたようですが、燻す際に出る煙の問題、近隣住民との関係など、環境の変化に対応した結果、現在は削り節の専門店として、名だたる有名なホテルレストランへ出荷されているようです。


今年の6/24で1周年を迎えられるBUSHIMESHIさんに足を運べたことで、食事だけでない気づきも頂けました。



まとめ


今回訪れた、熱海市の中心地「熱海銀座」そして南熱海の「網代」で強く感じたのは

【続けるために変わることに挑戦されている姿】が際立って印象的でした


そして結局のところ、良き理解者たちと同じ方向に動いて、何か見えるカタチで見せていかないと何もしていないことと同じだなと。

今回の視察&セミナー企画で、果たすのは参加者によるアウトプット報告w

「どうせ、遊びでしょ」と思われがちな視察ですが(仕方ないよねw)

可能な手段でお伝えし、動いていきますので、興味がある方は部員たちにお声がけください。

感じたことを丸裸w
長いけど記しておきまーす
また行きましょう!

おしまい


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