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『DaiGoさんの発言について思うこと』Voicy8月15日

今日は、いろんなところで取り上げられているDaiGoさんのYouTube動画での発言について思うことをお話しします。

私は動画を見れていないんですが、ニュースサイトでこのことを知りました。

今月7日に配信された動画の中で、このような発言があったそうです。

生活保護の人たちに食わせる金があるんだったら猫を救ってほしいと僕は思う。
自分にとって必要もない命は軽い。だからホームレスの命はどうでもいい。正直邪魔だし、プラスにならない。

私がこのニュースを知って感じたことは”知る”ということの大切さです。

皆さんはホームレスの人っていうと、どんなイメージをお持ちでしょうか?多分多くの人が「努力が足りないからそうなったんだ」「自己責任だ」。そんなふうに思う気持ちが心のどこかにあるんじゃないかなって思います。

そこで思い出したのが、先日インタビューさせていただいた、川口加奈さんの本の一節です。

彼女は19歳、大学生の時にホームレス状態の人を支援するNPO法人を立ち上げられました。
その川口さんがホームレス問題に出合った14歳のとき、炊き出しのボランティアに行って、元ホームレスの”おっちゃん”にこんな質問をしたそうです。

なんでホームレスになったんですか?
勉強してたら、頑張ってたら、ホームレスにならなかったんじゃないんですか?

そしたらおっちゃんは、こんな話をしてくれました。

わしの家には、勉強机なんてなかったんや。勉強しとったら、働きなさいって怒る母親やった。
私の家は、田舎でな。貧乏やった。ずーっと畑仕事させられたわ。高校はもちろん行かせてもらえんで、中学出たらすぐに釜ヶ崎に働きにやってきたんや。

本の中ではその後、日雇い労働の過酷さについて語られています。

夏の工事現場は非常に過酷。
一度温度計を持っていったら50度だった。
でもそれは50度までしか測れないやつだから、
きっと50度以上だったと思う。
そんな仕事は大学を出た正社員の人はやらない。
自分たちみたいな底辺の日雇い労働者が、
馬車馬のように働いて、こき使われて、
それでも50歳過ぎたぐらいで使ってもらえなくなる。
肉体仕事だから、若い人が優先的に雇われる。
中学を出て日雇いしかやってきていない自分たちに、今さら他の仕事はできなくて、あっという間にホームレスになったんだ。

もしDaiGoさんがこういうことをご存知だったら、今回のような発言はなかったんじゃないかなって思いました。

知るということ。

それはすごく大切なことじゃないかなって思います。

でも日本では、社会問題に目を向ける人、意識を向ける人が少ないと昔なにかのニュースで読みました。
これは想像ですが、きっと社会問題を知ったところで自分には何もできないって、そんな自分の無力さを突きつけられるのが嫌なんじゃないかなって思います。
もちろんそんなこと意識的に思っているわけじゃないけれど、無意識下でそういう心理が働いているんじゃないかな…。

ただ思うんです。
知ることって本当にそんなに無力なことかなって。

だって知っていたら、ホームレス問題を、ホームレス状態にある人を見る自分の目線は変わると思うからです。

そして自分だけではなく、たくさんの人の見つめ方が変われば、きっと社会は変わっていくんじゃないかなと思うんです。

だから知ることは本当に大切な一歩だなって、私は思っています。

昨日の夜、ちょうど川口さんのインタビュー動画パート3がYouTubeで公開になりました。
川口さんはホームレス問題についてだけではなく、「自分がやりたいことをやって生きる。自分の使命、やりたいことに出会う」ということについてもすごく大切なメッセージを私たちに伝えてくれています。

インタビューをして驚いたのは、川口さんがめちゃくちゃ淡々としていたことです。
これは私の勝手なイメージなんですが、社会問題に取り組む人って、すごく熱い思いを持って情熱的に行ってらっしゃるんじゃないかって思っていたんです。
もちろん情熱的に行動されてるんですよ。ただその語り口というか、あり方が、非常に淡々としてらっしゃるんですね。
でも。
だからこそ続けていくことができるんだ、っていうとても大切な学びをいただいたインタビューでした。

私との温度差を笑っていただける動画にもなっています。
川口加奈さんのインタビュー、ぜひご覧下さい。

Voicyリンク


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