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薬剤師による起業への挑戦 #5 「がんの疫学」
2019年6月、雨音だけが聞こえる深夜、西川は起業を意識してから定期購読を始めた薬事新聞(仮名)を読んでいた。
そこには「がん治療の飛躍的進歩」という見出しで、免疫チェックポイント阻害薬に関する内容がまとめられていた。
免疫チェックポイント阻害薬は、日本人によって開発された新たながん薬物治療の選択肢であり、2018年にノーベル生理学・医学賞の受賞で話題となった。
免疫チェックポイント阻害薬の新薬開発、適応拡大は続き、がん薬物治療の進歩に大きく貢献していた。
-がんの疫学-
2019年、日本人の死因として最も死亡率の高い要因は悪性新生物、すなわち「がん」だった(資料 6)。
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2019年にがんで死亡した人は376,425名(男性220,339名、女性156,086名)、がん罹患数予測(2021年)は 1,009,800名に達すると予想されていた。
日本人が一生のうちにがんと診断される確率は男性65.0%(2人に1人)、女性50.2%(2人に1人) で、健康寿命の延長により日本人のがんの罹患者数は増加傾向だった。
またがん罹患者数をがん種別に見ると、全体では大腸がんが最も多く、男性では前立腺がん、女性では乳癌が最も多かった(資料 7)。
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またAYA 世代(Adolescent&Young Adult :思春期・若年成人)といわれる15歳から39歳の患者では、ライフステージが大きく変化する年代であり、患者一人ひとりのニーズに合わせた支援が必要と考えられていた。
AYA世代で1年間にがんと診断される数は、15~19 歳で約900名、20代で約4,200名、30代で約16,300名であり、30代の中では乳がんが22%と最も多いと推計された。
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