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ムンクの叫びの分かりみがすごい(不登校の親やってました)

いえ、ムンクが子供の不登校で悩んでいたわけでは・・。でも、あの絵は見る人それぞれの叫びが引き出されるから、共感を得るというか支持される絵なんじゃないかなと思っています。

不登校児の親の何が辛いって、すでに大きな悩みの中にいるのに、すでにものすっごい心配の渦の中にいて吐くほどぐるぐる回されてるのに、不登校児へのご意見の総合受付、なんでも窓口になって外部への対応をしなきゃいけないってことでしょうかね。まあ、外部っていったって、学校と親と親戚とママ友くらいですけど。中でも身内対応が一番キツかったですね、私は。

自分の子供のことになると、周囲からのアドバイスを受け入れる力が極端に落ちますね。客観性が一気に下がるんだと思います。しかし、これも人間の心理としては当たり前だと思います。人間、自分のことが一番わからなかったりしますよね。

アドバイスにもピンからキリまであって、意外にも自分の思ってることとかすりもしない「ハズレ」が後から効いてきたりもするので、アドバイスもなめちゃいけないと長い時間をかけて学習しました。でも悩みの渦中にいる親が「ハズレ」をチョイスするのは奇跡に近いことだと思っておいてください皆様。

私の場合、奇跡なんじゃないかと思っているのですが、自分の子供が不登校して家で布団にくるまっているというのに、自分は仕事でよそのおうちの不登校児のお手伝いをしていたんです。私はただの介助員だったので、正規職の方がチームで対応していて、そこにお手伝いという形で入らせてもらっていました。

仕事場では保護者へのアドバイスをどうやって有効なものにしていこうかと毎日のように相談しているんです。お母さんの思ってる子ども像と現実の子ども像の違いをどうやって伝えるかとか、対処法では先がみえていて根本的な問題を保護者と共有したいけど、それを普通に伝えたら拒否感が出てうまくいかないとか、めっちゃ内部の話を、しかも核心の部分の話を毎日聞くんです。

最初は他人は冷たいとか、そんなに親をバカにしないでとか、保護者の気持ちに寄り添いたい気持ちでいっぱいだったのですが、少しずつ少しずつ、問題の核心が自分でも理解できていくにつれて、自分が周囲から言われてきたことの意味が分かっていったのです。長い時間がかかりましたけどね。そして、理解できたからといって、自分を急に変えることはできなかったし、すっかり形が固まっている親子関係を変えていくことを考えると勇気が足りなくて、数年の間、一歩を踏み出すこともできませんでしたけど。



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