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特別な病院だと思っていたらいちばん普通だった(不登校児の親やってました。)

前回、2つのクリニックの体験を書きました。今回は3つめです。

じつは仕事柄、子どもの精神医療に特化した老舗的な医療機関が地元にあることは最初から知っていました。しかし、悪いクチコミをたくさん聞いていたので、敬遠していました。また、重度の発達障がい児がたくさんかかっていたことから、不登校くらいでは診てもらえないのではと勝手に思っていました。

家にいてゆっくりしていても何も前進しないし、無理やり定時制の学校やフリースクールに入れても続かないので、手詰まり的な思いでその老舗の医療機関に電話をしました。

ただの不登校なんですが、、、とおそるおそる聞いてみると、はいはいーいというお返事。どうやらぜんぜんOKのようです。しかし、新規の受け入れは3か月待ちとのこと。

3か月は待つには長いですが、自宅から出づらくなっていた息子には良い期間だったようです。というのも、人の心理で「先のことであればあるほど嫌なことも受け入れやすい」らしいのです。なので、3か月後に病院に行くよと言ったときに、特に抵抗感はなく、それから時々覚えているか確認することで、その人の中に「予定」として組み込まれていくのです。遠い先の予定は徐々に近づいてくるので、気持ちも徐々に予定を受け入れるのです。

というわけで、拉致監禁の苦労なく息子を医療機関に連れて行くことができ、それだけで私の気持ちは万々歳。

病院というとお医者さんは診察室にいて、患者が診察室に来るのを待っているものですよね。それが、その病院は建物が古くて呼び出し機能がないせいなのか、はたまた治療方針なのか理由はわかりませんが、待合室までお医者さんが迎えに来てくれるのです。当番の医師はだいたい3~4人いて、それぞれが自分の患者を迎えに行くシステムだったのです。

なんかいいな。そう思いました。なんていうか、医者医者してない。偉そうじゃない。人対人。そういうイメージを持ちました。

みんな私服です。それも個性があって、イケオジ的な人もいれば無難な感じの人もいたり、どこにでもいるお母さん的な人もいて、その人がどんな感じの人なのかわかりやすい。そういえば、私の職場の放課後デイでも以前ユニフォームを作ったらどうかという話があったのですが、子どもが「人」を見るときに、私服も情報源になるという話から取りやめたことがありました。

子どもの精神の専門医療機関だから、さぞ特別な所なのだろうと思っていましたが、いままで行った中でいちばん「ふつう」でした。あの悪いクチコミはなんだったんだろうと思うほど。

このあと何年もこの病院にお世話になるのですが、なんでもっと早く来なかったんだろうと思いましたし、お医者さんからももっと早く来てくれていたら違うアプローチもできたのにという言葉をもらいました。

ほんとうに、病院探しって難しですね。

次回は、この病院で取り組んでもらった内容を書きます。

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