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みんなKYでみんないい(不登校児の親やってました。)

息子は不登校になってからというもの、こよなく独りの時間を愛していたので、友達というものにさほど興味がないように見えていました。しかし、実は彼が一番欲していたのは友達でした。

前回書いた精神科のデイケアへ通うようになってしばらくしたころ、息子はオセロとか将棋とかトランプとかそういうアナログなゲームを買いたいと言い出しました。デイケアで友達と遊ぶのだと。(デイケアはアナログゲームのみ可)

「ともだちぃ?」一気に声が裏返った記憶があります。

極度の出不精の不登校児が自らユニクロのスエットを脱ぎ服に着替えて、自分を100均のあるショッピングセンターへ連れていけと言うのです。車を出してほしいと。

なんかよくわからないけど、これはめでたい!ほいほいっと車を出し、一緒に100均の店内へ。おもちゃコーナーでふんふん唸って真剣にどれがいいか選んでいる息子の姿を目にし「こんな前向きな息子、この10年見たことなかったわーーーー」と心の中で叫びました。冷静に見れば高校生が100均のおもちゃを選んでるだけなんですけどね。

その後、デイケアでできた友達と外出するようになり、服が必要になりました。(それまで服は1シーズン1パターンで十分でした。それが引きこもり人間の生活様式なのです。ちなみに、靴もほぼ履かないので何年も買わなかったのですが、久しぶりに靴を買いました。足のサイズも忘れていました。)

友達が遊びに来ることもありました。うちの子と仲良くしてくれるなんて一体どんな子たちなのか、とても興味がありました。してその正体は・・

誰ひとり空気読まないフレンズ!!!

言ってることやってること、みんなバラバラ!各人マイワールド展開しすぎ!

うちの息子も中身が尊師なわけで、横柄な印象だし言う事えらそうだし、もう少し相手の身になって考えてからもの言えよという感じなのですが、そんなことを気にするメンツは皆無。中には突然彼女連れでやってきて、息子の部屋にいながら彼女しか見えてない子とかいてwww じゃあなんでうちに来るんだよwwwという状態になっても、息子は気にせずモデルガン自作してたり。

息子も友達もコミュニケーションが一方通行タイプなのですが、だからこそ付き合える「友達」なんですね。そういう子がいてくれて良かったと思うし、うちの息子もコミュニケーションがちょっとおかしいところが誰かの役に立っているなと思うのです。

学校では友達関係に馴染めないから人を避けていただけで、友達を欲する気持ちは普通の人と同じだったんです。いや、なかなか友達ができないから、実は強く求めていたのかもしれない。

友達の存在が息子を家から引っ張り出してくれました。ちょっと先を行く友達を見て、挑戦してみたことがたくさんありました。

そうなると、親の出番はぐっと減りました。どうしてもという所だけ背中を押して、あとは見てないフリして見るだけ。

常に一進一退はありましたし、これからもあるかもしれません。でもまぁ、上出来と思うようにしています。



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