見出し画像

運転手は君だ。(不登校児の親やってました。)

仕事を通して不登校児が社会復帰していった様子をリアルに見ていた者として、また、自宅警備員歴4年を経て学校に戻り社会に出た息子を間近で見た者として、今日はお話したいと思います。

一度は病んだり引きこもったりしたものの、数年かかって社会に出て行った彼らの背景には共通点がありました。

結論から先に言うと「親が病気になった」です。または、親があてにならなくなったと言い換えられます。


以前私は中学校で働いていました。そこで、小学生の間に不登校になってしまい中学入学をきっかけに不登校から脱出させたいという親御さんを何人か見ました。

特別支援学校だったので、地元の友達と離れて一からやり直せる絶好の環境です。それでも、簡単に登校できるようになるわけではなく、本人も周囲も親も、地道に努力を重ねる日々が必要でした。安定するまでに早くて2~3年。うまくいっても中学高校の6年間まるっとかかると思ったほうがいいです。

高校にあがっても中学の時とあまり変わらず、時短でないと登校できなかったり、週に1日か2日休みを入れることでなんとか登校できたり、高校生になっても母親に送り迎えを強要する子もいたり。なかなか完全復帰は難しいというのが現実です。少しずつ学校から足が遠のき、いつの間にか姿を見なくなる子も珍しくありませんでした。

そんな中で目覚ましく進化を遂げたのは「親が病気になった」家庭の子でした。

いままで自分を守ってきてくれるのが当たり前だった親がその力を失った時、子どもははじめて自分の人生を自分のものだと自覚するのかもしれません。他の誰も自分の人生を代わりに生きてくれない。学校へ行くことも、行かないことも、将来の進路も、ぜーーーーんぶ100%自分のこと。自分に関わることだったんだと自覚するのではないでしょうか。


わが家の場合は、家族誰一人病気になっていませんが、アルバイトの一つもしない息子に業を煮やして言った私の一言「もう子育ては終わりにする。もう育ててあげない!!」がキーになったと思っています。

私はもっと早く、息子の人生のキーを息子に渡しておくべきでした。人生の管理と責任を、本人に渡してしまうべきでした。

親は親。君は君なんだよ。

自分の人生をその手に掴んだ子は、強くなります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?