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診察はエントランス部分(不登校児の親やってました。)

個人の開業医と規模の大きい精神病院のどちらにもかかってみてわかったことがあります。きっと医療の側から見たら当たり前のことだと思うのですが、カンの悪い私はすぐにはピンとこなかったのです。

まず、お医者さん一人で開業しているクリニックの場合、やることと言ったら診察と投薬です。一人でできることはそこまで。それ以上のことは無理ですよね。診察で話を聞いてもらうことや服薬で回復する病なら、個人の開業医はその役割を果たすことができます。

うちの場合、1軒目の開業医できっぱり「無理」と帰されています。それは「あなたたちが来るのはここじゃない」というお知らせだったのでしょう。私がピンとこなかっただけで。

規模の大きい病院の場合、診察は治療の入り口で、その奥にいくつかのバックヤードがあるというイメージです。

不登校の場合、学校という「社会」に入れなくなっているのですから、もう一度社会に入るためのリハビリが必要です。それは診察と投薬だけではできないことです。そこに「社会」がないと。

うちの息子の場合は、数か月は診察のみで病院やドクターと信頼関係を作り、その後デイケアを勧められました。デイケアでは同じ年ごろのよく似た感じの子たちが数名で1日を過ごします。週に1~2回、通いはじめは半日で、だんだん時間を長くして少しずつ慣らしていきます。内容はグループで調理をしたり、レクリエーションとしてゲームをしたり。慣れてきたころにはみんなでお出かけなんていうのもありました。個別学習や個別作業の時間もあり、不登校児にとってはそれが息抜きの時間になります。

それまで普通に医療費を払ってきたのですが、デイケアも医療費がかかるので発達障がいの診断を受けて(開業医でも発達検査など受けさせてもらっていましたが、診断は下りず、数年間うやむやでした)、医療の助成金制度を利用することを教えてもらいました。月に支払う上限額が設定され、それを超える医療費は自治体が支払ってくれるというものです。

もっと早く教えてもらいたかった!いや、自分で調べないのがだめなのか。

その病院には他にも、年齢の小さな子には集団療育があったり、ちょっと病んでしまった子にはマンツーで遊んで心をケアするプログラムがあったり、行動療法が必要な子には入院施設もありました。

開業医には通いやすさがあり、規模の大きい病院には具体的な支援を行うバックヤードがあります。いろいろな医療の形がある中で、自分に合った医療を選ぶ必要があります。医療者側がなんでもよくしてくれるという依存的な考えより、自分の責任で医療を選ぶという主体的な考えでいったほうが、うまくいくと思います。それが私の失敗から得た教訓です。

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