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相場振り返りと6/5週に向けて

こんにちは。nishinaです。5/29週の相場振り返りと6/5週にむけて、テクニカル視点で見ていきます。

この記事は投資助言や勧誘にあたるものではありませんので、投資はあくまで自己の判断のもと、自己責任で行ってください。

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今週の振り返りと来週の指標

まずは今週を振り返り、来週の指標を見ていきます。
今週は月曜日から調整したものの、木金と上昇しました。米国債がデフォルトを回避完了したことと、雇用者が強い反面、賃金の伸びが鈍化し、失業率も上昇していることから6月の政策金利の利上げが行われないという観測が再び浮上したことが上昇要因と考えられます。
来週は月曜日にPMI、木曜日に新規失業保険申請件数があります。

GMOクリック証券に掲載の経済指標を抜粋


相場の振り返り

各セクターの動き

月末ということで各ETFの動きから各セクターの動きを振り返ります。

5月から6月の動きを見ると、米国情報技術セクター(VGT)や通信サービスセクター(VOX)がよく上昇しています。一方で公共事業セクター(VPU)や一般消費財セクター(VDC)は下落気味に見えます。銀行関連セクター(VFH)は一旦底を打ったように見えます。

下のグラフで表示している、各セクターのETF
3か月間の各セクターの値動き


ヒートマップ

先週までは一部の大型株が上がっている印象でしたが、今週は全体的に株価が上昇しています。個人的にはナスダックが上昇するものの、SP500が上昇できず、ナスダックがSP500に引っ張られる形で下落してくかと思いましたが、SP500が上昇してくる結果となりました。チャートだけ見るとSP500は押し目を作りながらまだまだ上がっていきそうです。

5/29週のヒートマップ
今週はほとんどが緑と色々なセクターが上昇していることがわかる。
5/22週のヒートマップ
先週上げているのは一部の銘柄という印象だった。


来週決算を迎える企業

6/5週に決算を迎える企業

出典:Earnings WhispersのTweet


投資家心理を示す指標から

今回もFear and Greed IndexとNAAIMの状況を見ていきます。
Fear and Greed Indexは65となっており、あまり見ない収束するような形となっています。
NAAIMのほうは53.92と下がってきています。第一四分位数が5.38と先週の26.9から大きく下がっているので、ポジションを持っていない人が増えているのが分かります。ただし水曜発表なので、木曜日と金曜日の指標でまたポジションが増えている可能性もあります。

Fear and Greed Index (6/3時点)
NAAIM(6/3時点)
NAAIM詳細

Fear and Greed IndexやNAAIMはこちらの過去の記事で書いています。


金利の見通し

債務上限問題は上院で可決され、2025年まで問題なし

アメリカの債務上限問題は法案が下院及び上院で可決されたため、2025年まで解決されました。6/2には法案が成立し、比較的スムーズに問題が解決した為、アメリカ国債の格下げの可能性は低くなっています。


6月のFOMCでは政策金利は現状維持の見通し

先々週のパウエル長官の発言に沿う形で再び6月のFOMCでは政策金利は利上げせず現状維持という観測が高まってきました。理由は木曜日、金曜日の指標で、雇用は強いものの、賃金の伸びが鈍化していることが示されたためです。金利も上昇していますが、6月もしくは7月のFOMCで0.25bpの利上げがあることを織り込んでいるようです。


FED Watch Toolで確認すると、6月のFOMCでは現状維持の見通しが約75%となっており、市場は6月のFOMCでは利上げがないということを織り込んでいます。一方で国債利回りの方は7月には利上げするでしょうということを織り込んでいるとも言われており、どちらの市場も都合よく解釈しているようです。

政策金利予測

この利上げの見通しはFed Watch Toolで確認することができます。

チャート分析

US10YとUS20Y

US10YとUS20Yのチャートを週足でみてみます。US20Yの上髭は指標発表時に1分間の間についたものなので、とりあえず無視して考えると、US10Y,US20Yとも高値も安値も切り下げたローソク足で下髭をもっています。来週は横ばいもしくは続けて下がっていくのではと考えています。

US10YとUS20Yのチャート(週足)


US10Y

株価との相関が高いと言われるUS10Yのチャートです。
先週予測した水準までわずかに到達しませんでしたが、先週書いた矢印と似た動きをしています。四角いレンジ圏の上枠で反発する形になっています。週足では上昇トレンドでありこのまま上昇するパターンも考えられますが、今週の値動きで日足の下落トレンドに入っており、フィボナッチの61.8%戻しと200EMAが重なる、3.48%から3.50%くらいまで調整する可能性の方が高いと見ています。

US10Y 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)


US20Y

こちらも週足では上昇トレンドですが、日足では下落トレンドとなっています。US10Yと違うところは既に今回の上昇に対して50%戻しまで調整していることです。下げ側の調整幅はUS10Yよりも小さく見えます。

US20Y 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)


SPXとNDX

まずは週足のチャートから見ていきます。上がNDXのチャート、下がSPXのチャートです。
NDXもSPXも上がってきましたね。NDXは十字にみえますが、SPXのほうはスラストアップで力強く月足の高値を抜けてきました。ファンダ的に事件が起きなければ今後NDXは15300、SPXは4500を目指していくと考えられます。
NDXは13720を割るまでは上目線、SPXは4195を割るまでは上目線です。中期的にはNDXは13200程度、SPXは4050程度を目途とした調整が考えられます。

NDXとSPXの週足チャート


SPX

SPXは木曜日、金曜日と大きく上昇し、月足の高値を明確に超えてきました。長期的にみて青のトレンドラインが効いているので、次の目途となる月足高値の4325とこの青のトレンドラインの間で遷移することが予想されます。例として青矢印で示すような上昇パターンや紫矢印で示すような下降パターンが考えらえますが、今回超えた月足高値の4195.44の上にいる限りは安心して上目線で良いかと思います。

SPX 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)


NDX

NDXも木曜日、金曜日と力強く上昇しています。週足でも日足でもRSIは70を超えていて、いい加減調整しないのかなと思っています。一応上にも黒のトレンドラインを引いていますが、これが機能するかは怪しく、次の節目は15265、調整しても13720までであれば上昇トレンドを疑う必要はないかと思います。

NDX 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)


SOXX

最後はSOXXです。先週の予測通り500-510まで上昇して調整しています。現在は2021/9/17の高値である478で反発している状況です。本格的に調整するのであれば、450程度まで一旦調整することが見込まれます。

SOXX 日足(移動平均線は 25, 75, 200EMA, 200SMA)


おわりに

今週は木曜日、金曜日でSPXが大きく上昇し、月足の高値を明確に超えてきました。再来週にはFOMCを控えていますが、すでにFOMCでは政策金利が現状維持されるという内容が織り込まれてこの株価となっています。今週は特にSPXが力強く上昇してくれており、マーケット全体として上昇継続とみて良いと考えています。

以上、テクニカルをベースに来週の見通しを書いてみました。参考になれば幸いです。


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