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相場振り返りと5/15週に向けて

こんにちは。nishinaです。5/8週の相場振り返りと5/15週にむけて、テクニカル視点で見ていきます。

この記事は投資助言や勧誘にあたるものではありませんので、投資はあくまで自己の判断のもと、自己責任で行ってください。

来週の指標

今週はCPI, PPIで上げ下げした後、注目していた金曜日のミシガン大学の発表でインフレがなかなか収まっていないよというデータが出たため、利下げが前倒しされるのではないかという市場期待が裏切られる格好で、SP500は下落しています。と言ってもナスダックもSP500も底堅く推移しており、特にナスダックは強いです。

来週は木曜日に新規失業保険申請件数がある他、毎日のごとく連銀総裁、FRB理事の発言が予定されています。

GMOクリック証券に掲載の経済指標を抜粋


相場の振り返り

ヒートマップ

今週もハイテクの大型株が市場をけん引している形で、チャートで見てもSP500よりもナスダックの方が強い形となっています。銀行、エネルギーセクターの弱さは継続しています。

5/8週のヒートマップ
5/1週のヒートマップ


来週決算を迎える企業

来週決算を迎える企業です。
出典:Earnings WhispersのTweet

5/15週に決算を迎える企業


投資家心理を示す指標から

今回もFear and Greed Index, NAAIMとSP500の状況を見ていきます。
Fear and Greed IndexもNAAIMも横ばいになっています。
NAAIMは水曜日発表なので、金曜日のミシガン大学の5年先インフレ期待が高かった影響は入っていない為、現在は少しポジションが減らされているのではと思っています。
Fear & Greed Indexは75まで上がると思っていましたが、債務上限問題による懸念とインフレが収まっていないという不安要素が2つも出てきており、75まで上がらずに落ちてくるかもしれないと思ってきました。

債務上限問題とミシガン大学の5年先インフレ期待は勉強させて頂いている村松先生のnote(こちら)に詳しく書かれています。

個人的にはショート目線に入り始めており、今後2週間くらいの間に、どこかでぴょこんと上がって、ショートのエントリチャンスがこないかなと思っています。

Fear and Greed Index (5/13時点)


NAAIM(5/10時点)

Fear and Greed IndexやNAAIMはこちらの過去の記事で書いています。

金利の見通し

ミシガン大学の期待インフレ率(5年先)について

ミシガン大学の消費者信頼感指数、期待インフレ率はFRBに結構考慮されているとされる指標です。この指標は先行値がまず出て、次回に確定値がでます。この確定値が大きく上がっているということで、先週に織り込まれ始めていた利下げが遠のいたことになります。

村松先生のnoteに書かれているように2022/6(赤線)に大きくこの数値が上がった際、FRBは75bpの利上げでインフレを抑え込もうとしました。今回も大きく上がっており、金曜日はこれに市場が反応した格好です。

ミシガン大学 5年先期待インフレ率 確定値(Nishina作成、データソースはInvesting.com)

この指標はFRB理事の発言にも影響してくるため、タカ派の発言が今後増える可能性があります。タカ派の発言が増えるとじわじわと株価を下げるセンチメントが高まり、何か指標でインフレ傾向が出た途端に大きく反応する土壌ができがっていくことになります。

こちらのロイターの記事でも債務上限問題とこのインフレ率が懸念事項として取り上げられています。

金利の見通しの変化

上記の懸念による利下げが遅れる可能性(といっても利下げを早く織り込みすぎなので元に戻るだけなのですが)は少しづつデータに出始めています。先々週、先週、今週の政策金利予測を並べてみました。先週FEDが終わり利上げされたことで現在は500-525bpが目標となっています。先々週から先週にかけて大きく金利引き下げが早まる方向に振れており、業績と相まって株価堅調の原動力になっていたわけですが、この金利引き下げが早まるかもという見通しが薄れてきており、だんだんと先々週のような見通しに戻りつつあります。もちろん5月で利上げ停止が84.5%と多数派なのですが、もしかして6月も追加利上げが必要なんじゃないかなという層が少しづつ増えている状況です。

政策金利予測

この利上げの見通しはFed Watch Toolで確認することができます。

チャート分析

US10YとUS20Y

US10YとUS20Yのチャートを週足でみてみます。どちらも4/3週につけた安値に届かず、先週に対してインサイドになっており先々週からみてアウトサイド→インサイド、そしてどちらも十字線と迷っています。ダブルボトムを形成中にも見え、大きく上がることは考えにくいものの、インフレの影響が入ってくればUS10Yは3.65%、 US20Yは4.0%くらいまで戻っても不思議ではないように見えます。

US10YとUS20Yのチャート(週足)


US10Y

株価との相関が高いと言われるUS10Yのチャートです。青のトレンドラインはなかなか割ってくれず、来週もボックス圏で推移、ボックス上限までは上がりそうです。三角持ち合いも継続中です。

US10Y 日足(移動平均線は 50, 75, 200EMA, 200SMA)


US20Y

月足のトレンドラインが良く効いています。同じくボックス圏で推移しています。4%程度まで戻すことを想定しています。

US20Y 日足(移動平均線は 50, 75, 200EMA, 200SMA)


SPXとNDX

まずは週足のチャートから見ていきます。上がNDXのチャート、下がSPXのチャートです。
NDXは安値も高値も切り上げて現在上昇トレンド中です。上髭が少しついているものの、13200でレジサポ転換していますので、13200のサポートを割ってこないと下落方向には向かいません。押し目は12724となっており、ここを下回ると週足で下落トレンド入りとなります。
SPXはインサイドとなっており、4050から4190のレンジとなっています。このレンジをどちら方向にブレイクするのかで方向が決まります。

NDXとSPXの週足チャート


SPX

先週、高値である4186にトライするかと思っていましたが、上昇しきれず、弱い形となっています。現在は4050-4200のレンジで推移しています。4186を頂点とした三尊の右肩が形成されていっているように見えます。
緑の斜めのトレンドラインを割ってきたら下落サインかなと考えています。

SPX 日足(移動平均線は 50, 75, 200EMA, 200SMA)


NDX

SPXに反してNDXはまだ強いです。グレーで書いた三角形をどちらに抜けるかというところかと思います。もうほとんど上昇余地はないように見えますが、13550くらいまでは上がる可能性もみています。12938を下回らない限りは週足で上昇トレンドです。

NDX 日足(移動平均線は 50, 75, 200EMA, 200SMA)


SOXX

週の安値を2週間くらい前に割っており、週足では下落トレンド中です。先週も少し持ち直したものの、上げ切らず、三尊の右肩ができてきたのかなという印象です。青のトレンドラインを割って落ちてしまうのか、そこで反発して再度上がっていくのかが焦点です。

SOXX 日足(移動平均線は 50, 75, 200EMA, 200SMA)


おわりに

週足のプライスアクションからはNDXはまだ少し上?、SPXは弱いという状況になってきました。先週は上と言えたのですが、怪しくなってきています。

以上、テクニカルをベースに来週の見通しを書いてみました。参考になればうれしいです。

先週は初めてサポートを頂くことができ、大変励みになりました。ありがとうございました。


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