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シャーロットのおくりもの

子供の頃読んだ物語というのは、記憶の中のだいじな引き出しにしまわれている気がします。
この物語は、河合隼雄先生が高く評価されており、大人になった今、思うところがあり再読してみました。

お話しの主人公は、ウィルパーというブタとシャーロットというクモです。
ウィルパーは未熟児で産まれて、人間に殺されそう(つぶされそう)になったところを、農場の女の子に助けられます。
その後彼が順調に育っていくと、今度はハムやソーセージにされそうになり、ブタ小屋に住むシャーロットのステキなアイディアで命を救われるのです。

しかしこの物語の凄いところは、それでめでたしめでたし!で終わるのではなく、寿命が尽きてシャーロットが死んでしまうことです。

子供の頃の私は、この結末の苦味を、何とも言えない気持ちで味わったのを覚えています。
また、この結末があるからこそ、私の記憶の中にいつまでも残り続ける物語となったのでしょう。

当時の私はシャーロットのおくりものとは、彼女が産んだ沢山の卵から孵った子供たちだと思っていました。
しかし、私が大人になった今、そのおくりものとは、、、また違った解釈となりました。

最後の文を引用します。

シャーロットは、ウィルパーのなかで、だれともくらべようがないほど大きな位置をしめていたのです。すばらしいことばが書けて、しかも、ほんとうに親しい友達というのは、なかなか得られるものではありません。シャーロットは、その両方だったのです。


私が思うに、本当の友情(愛)というのは、
「ただいてくれるだけでいい」
と思えることであり、思われることなのではないでしょうか?
そして、シャーロットのおくりものは、その気持ちに気づかせてくれたこと、また、その気持ちで奇跡を生み出す力があるということのような気がします。

そのような大切なことを「死」によって学ばされることに、私は切ない気持ちがするし、また死の意味があるような気もするのです。

よかったら読んでみてください。
傑作と言われている物語です。

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