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「らんちう」を読んだ

「らんちう」 赤松利市 双葉社 を読んだ。

犯人はここにいる全員です——リゾート旅館の支配人が惨殺され、従業員6人が自首したが、彼らには殺意も動機もなく、殺す理由がわからない。だが、取調室で見えてきたのは被疑者たちの置かれた異常な環境だった。違法な長時間労働、あやしい自己啓発セミナー、美人女将の秘められた過去……。次第に明かされる内情は複雑で、事件の真相は女将が魅了された奇形金魚「ランチュウ」へと帰結する。大藪春彦賞を受賞した奇才が放つ衝撃の犯罪小説!

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いやぁ、見事なまでの起承転結。
4章構成なんだけど、3章でガラッとこれまで見ていた世界が変わる。

搾取される側と搾取する側の格差問題を描いているのかと読んでいたが、浅はかだった。
社会はもっと手酷いらしい。

3章読んでからの終章が、またなんとも座り心地の悪さがあって。
それぞれの未来に対する心持ちが明るいだけに。
軽く世の中と、その中に嵌め込まれている自分に絶望する。

読み終わって、題名が良いな…と思った。

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