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「ドリーム」を見た

「ドリーム」(2016年) を見た。

1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた、NASAの3人の黒人系女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの知られざる物語を描いたドラマ。ソ連とアメリカの宇宙開発競争が繰り広げられていた61年、米バージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所に、ロケットの打ち上げに必要不可欠な計算を行う黒人女性グループがいた。なかでも天才的な数学の才能をもつキャサリンは、宇宙特別研究本部の計算係に抜てきされるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、キャサリンにとって決して心地よいものではなかった。一方、ドロシーとメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされるが、それでも3人はひたむきに夢を追い続け、やがてNASAの歴史的な偉業に携わることとなる。キャサリン役で「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」のタラジ・P・ヘンソンが主演し、ドロシー役を「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタビア・スペンサー、メアリー役を「ムーンライト」などにも出演している歌手のジャネール・モネイが演じた。監督は「ヴィンセントが教えてくれたこと」のセオドア・メルフィ。ミュージシャンのファレル・ウィリアムスが製作と音楽を担当。

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通う学校も、食堂も、同じ部屋で飲む飲み物も、トイレも明確に白人と白人以外で分けられていた時代。
さらに、女性という弱い立場。
そんな中でも、実際にNASAで素晴らしい功績を残した3人の黒人女性のお話。
まぁ、多少史実とはズレがあるにせよ、黒人であり女性であることで、かなり差別をされていた中、地道に自分の実力で、道を切り開いていった三人に脱帽。
まぁ、とんでもなく頭が良かったんだろうけど。

心に残った場面。

キャサリンの上司であるハリソンが「何でそんなに席を空けるんだ」という問いに、「この棟には白人以外用のトイレがないので、800m離れた違う棟まで行かなければならない。あなたは知らないだろうけど」みたいなことを答える。

そう、ハリソンは知らない。
雨の日も800m濡れながら往復しなくては、トイレにすら行けないことを。
同じ部屋にいても、飲み物は白人と白人以外に分けられていることも。
ハリソンは、すぐにその区別を廃止する。
それも知ったから出来ること。
知らないことも罪なんだな、と思う。

もう1つ。
トイレで、白人女性であるミッチェルの「私は偏見は持っていない」という言葉に対して、ドロシーの「あなたがそう思っていることは、信じます」みたいな会話。
「偏見を持っていない」ではなく、「偏見を持っていないと思っていること」
これもまた怖い。

気を付けなければ。

まぁ、単純に宇宙開発プロジェクトの話としても面白いし、IBMのメインフレームやFORTRANとか元SEの心をくすぐる懐かし要素もあって、楽しめた。
なんといっても、キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ボーン、メアリー・ジャクソンの前向きさというか、切り開く力、頭の良さが、本当に素晴らしい映画でした。

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