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「星旅少年」を読んだ

「星旅少年」 坂月さかな パイインターナショナル を読んだ。

「人はまだどこかで起きている」静かな夜を旅するような、青が沁みるSFファンタジーコミック

ある宇宙、人は「トビアスの木」の毒によって「覚めない眠り」につきはじめていた。そして、ほとんどの住民が眠ってしまった星は「まどろみの星」と呼ばれた。これは、「まどろみの星」を訪ね、残された文化を記録・保存する、プラネタリウム・ゴースト・トラベル社(通称PGT社) 星旅人・登録ナンバー303の物語。訪れた星々でPGT社で、303が交流する人やモノ、出会いと別れ、そして「トビアスの木」と自身の謎......。

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広い宇宙
ほとんどの住民が眠りについている「まどろみの星」
この世界は静謐だ。

星旅人303と、「まどろみの星」でまだ眠りについていない住人とのやりとりもまた、淡々と交わされる。

いずれ「覚めない眠り」につき、トビアスの木になってしまうことに対して、激しい怒りも悲しみもなく、かといって生きることを諦めているわけでもなく。
その会話には、少しの悲しさと、不思議だけど少しの希望があるような。
でも、それは本当に本当にかすかなもので。
ただ、ただ、静かな静かな世界。

私も、ごちゃごちゃ考えずに、ただ、ただ、静かにその世界を受け取る。

サン=テグジュペリの「星の王子様」が好きな人は好きなんじゃないかな、これも。

2巻の終わりが、「303が何者なのか、これからわかるのかな?」と思わせる終わり方なので、3巻が楽しみ。
でも、決して「早く3巻読みたい!」って感じではないんだよな。
そんな謎、どうでも良いくらい(いや、教えてくれるなら知りたいけどさ)、この星旅の世界は魅力的。
何度でも読みたくなるマンガです。

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