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読み終わったぞ、平家物語

池澤夏樹=個人編集 日本文学全集 09
平家物語 訳者=古川日出男 河出書房新社
をようやく読み終わった。

平安末期、貴族社会から武家社会へと向かうきっかけとなった、いわゆる源平合戦と呼ばれる動乱が勃発。武士として初の太政大臣となった平清盛を中心に、平氏一門は栄華を極めるが、悪行を重ね、後白河法皇の謀計を背景に、頼朝や義仲、義経ら源氏によって都を追われる。十七歳の若武者・敦盛の最期、弓の名手・那須与一の活躍、屋島・壇の浦の合戦、そして幼帝・安徳天皇を伴った一門の入水……琵琶法師により語り継がれ、無常観を基調に描かれた軍記物として、後世日本の文学や演劇などに多大な影響を与えた大古典。圧倒的語り口による、類を見ない完全訳。

河出書房新社

アニメの記憶や、遥か彼方の古文の授業を思い出しつつ、読みきった。
後半は、もうとにかく読み終わることだけを目指して(笑)

最後の巻は、灌頂の巻。
尼となった建礼門院のところへ、後白河法王が訪れる。
建礼門院が来し方を振り返り語る。
ざっと4頁。
私も一緒に振り返る。
そして、頭に浮かぶのは、冒頭。

祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす。奢れる人も久からず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵におなじ。

いやぁ、この冒頭はすばらしいね。
平家物語の構成を考えた人は、すごいよ。

古文の授業で、この冒頭を無理やり覚えさせられた人も多いと思うけど、これは素晴らしい文章だよ。
この良さが解るには873頁必要だったけど。

お時間のある人は、ぜひ、チャレンジしてみて下さい。

「鎌倉殿の13人」では、どのように源平が描かれるのか、楽しみだな。

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