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「平場の月」を読んだ

「平場の月」 朝倉かすみ 光文社文庫 を読んだ。

朝霞、新座、志木―。家庭を持ってもこのへんに住む元女子たち。元男子の青砥も、このへんで育ち、働き、老いぼれていく連中のひとりである。須藤とは、病院の売店で再会した。中学時代にコクって振られた、芯の太い元女子だ。50年生きてきた男と女には、老いた家族や過去もあり、危うくて静かな世界が縷々と流れる―。心のすき間を埋めるような感情のうねりを、求めあう熱情を、生きる哀しみを、圧倒的な筆致で描く、大人の恋愛小説。

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いやぁ、ツラい。
なんかねぇ、リアル過ぎてどうにもダメだ。
このツラいとかダメだというのは、悲しくてとか切なくてとかではなく、なんだろう、読んでいて、そのリアルさに嫌になるというか…
好きか嫌いかの二択だったら、嫌いになっちゃうんだろうなぁ。

まず、場所。私は埼玉出身なので、朝霞、志木、新座ってのがね、リアル。
そこに残った地元の同級生、結婚して実家近くに戻るとか、あー、リアル。
そして、「ヤオコー」。なんで「スーパー」にしてくれなかったんだろう。
私だって、ヤオコーでウミちゃんに会ったら隠れるね。

年代だってジャストミートだし、親が亡くなった後の実家の感じとか、平場に生きてる生活感とかも、まざまざと脳内に浮かぶ。加齢臭だってすぐに再現できるわ(笑)

まぁ、須藤の心はわからなくもないけど、私だったら、そこまで頑なにはならないなぁ…というところで、そこはピンとこないけど。

恋愛小説ならば、もう少しファンタジーが欲しかった(笑)

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