「推し、燃ゆ」を読んだ。

「推し、燃ゆ」  宇佐見りん  (文藝春秋掲載)を読んだ。

逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を“解釈“することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し——。デビュー作『かか』は第56回文藝賞及び第33回三島賞を受賞(三島賞は史上最年少受賞)。21歳、圧巻の第二作。
(amazonより)

しばらく芥川賞からは離れていたのだか(難解過ぎて)、久々に読めそうだと思って、文藝春秋を買った。
ちなみに、なぜ、単行本を買わないのかというと、文藝春秋の方が安いし、選評が載っているから。

さて、感想。

読みやすく、物語も簡単に頭の中で立体化できる。それくらい、今の文学だった、ということだと思う。
しかし、私には、それほど主人公がこの物語で成長したとは感じられなかった。
やはり、芥川賞作品は難しい。

この作品を読みながら思い出したのが、第155回芥川賞受賞の村田沙耶香「コンビニ人間」。なんとなく雰囲気が似ている。
「普通」から外れている主人公。
アイドル、コンビニが自分の生きる支えとなっている。

でも、最後が違うかな。
「コンビニ人間」では、主人公はコンビニに回帰してしまうが、「推し、燃ゆ」では、アイドルは一般人となり、追うことはできなくなった。

でも、これは、「コンビニ人間」の主人公が就活しようとする行為と一緒に思える。(全然内容覚えてないから、間違ってるかも。)
「推し、燃ゆ」はそこで、終わっているだけで、やはり、主人公は生きるために別の推しを見つけるのではないかな。

当分はこれで生きようと思った

って書いてあるし。

あー、だから、私には、あんまり主人公の成長を感じられなかったんだな。
いや、別に主人公が成長しなきゃいけないと思っているわけではないから、いいんだけど。
「ふーん、なるほど」で終わった読書でした。

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