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Coda コーダ あいのうた を観て

In a way, this one is another "Go now. Don't look back" story. Actually, it's about a coming-of-age story or family drama, regardless of disabilities, and diversity and inclusion. Besides, as Eugenio Derbez(, who played a Berklee graduate Mexican music teacher) said in an interview, this story is also a love song for immigrants all around the world. "They come here, they have kids, the 2nd generation are CODAs".
So this is a movie that connects with people all over the world. Stay out of your bubble and see things from both sides👍

ようやくもうひとつの観たかった作品を鑑賞。言うまでもなく今年のアカデミー賞作品賞受賞作。ヤングケアラーになりがちな、ろう者の娘(Children of Deaf Adults)の夢と現実との狭間での葛藤を、繊細かつ時にコミカルにも描いた佳作。マサチューセッツの港町で漁師の娘として生まれ、耳の聞こえない両親と兄を支えながら生きる中で、歌が好きという気持ちが抑えられない17歳のルビー。コーラス部顧問のメキシコ人教師に可能性を見出され、バークリー受験を薦められるものの、それは家業に支障をきたす(かもしれない)事であり、また家族には理解されにくい世界でもあった。このメキシコ人教師がなかなかの差し色的存在で、ラテン的ロバート・ダウニーJr.という風情でポンポンと小気味良いテンポで語り、時に強烈な印象を残す。「変な発音(ろう者の子供は時にそうなる事があるとか)で笑われるのは、別に君だけではない。」

観賞後にYouTubeで観た、この教師を演じたエウヘニオ・デルベスさん(コメディアン、映画制作者)のインタビューでのコメントも心に響いた。「この作品は多様性についての話であり、(特にこの国🇺🇸に多く、)また世界中の移民の人々へのラブソングでもある。移住して子供が出来ると、その子供もCODA的な存在なんです。」
(ふと日系2世の60年程前のナラティブ作品の中に、「保護者面談に同伴すると、先生の言う事が殆んど分からない親は変なタイミングでYes Yes!と言ったり、トンチンカンな会話となるのでいたたまれなくなり、ママ帰ろう!」という描写があったのを思い出した。スケールはかなり小さくなるが、個人的にも三者面談等で親が東京的ストレートなリアクションをする度に、冷や汗をかいたのも思い出したり^^;…それはさておき)

あとYouTube動画ではCODAとして生きてきた日本人の方々の対談もあって、ストーリーや背景を改めて想像したり理解するのに参考になった。因みにその方々はこの作品について、好奇心で取り上げたtearjerker(お涙頂戴)ではなく、俳優陣だけではなくスタッフにもろう者を多く起用し、とてもリアルに丁寧に繊細に作られていて(ろう者が興奮した時の手の表現や声等もリアルだとか)、これはウチの話だとのめり込めたと口々に言っておられた。ただ残念だったのは、日本側の取り上げ方に配慮がやや足りなく、特に「聾唖者」「健聴者」という表現は避けて欲しいと願っておられ、これは最近になって話題にもなっていたからか、アカデミー受賞後の字幕やポスターでは訂正されているようだ(webでの表現はまだちらほら散見される)。「唖」は喋れないという意味なので、そうではなく感情そのものは溢れる程あり、表現の仕方が異なるだけという理解が深まる事を願っておられた。言葉って難しいですよね。普段の何気ない会話でもつい、「普通」とか「健常者」とか言ってしまいがちだし、全く意図が無くても無意識に心の奥底で差別・区別しているというのが露呈してしまう。そんな事を改めて考えさせられた。

話を戻して、そしてこの作品は障がいを持つ持たないにかかわらず、どこの家庭にもあり得る、子供の成長と目覚め、家族のありようの変化についてのストーリーでもあり、どんな人でも、時に自分のテリトリー(バブル)から飛び出して新たな世界を覗いたり、物事をいろんな面から見てみよう、というメッセージが込められているのだと思った。Both Sides Now... 雲、愛、人生。わからなくても歩み出そう👍
(Coda、終わりではなく、むしろ始まりなんですね)

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