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遊ばせる休ませる【奥の階段#13西武渋谷店】

わたくしは商業施設の奥の方にひっそりとある、階段が好きである。
今回は、西武渋谷店の奥の階段

別館を眺める腰掛
二対の階段が対面する踊り場
洪水時用か

渋谷という町はその地名のごとく谷の街である。青山・表参道あたりの台地の地中を走る銀座線は、渋谷駅へ向け高度を変えずに進み、頭上3階ホームへ到着する。京王井の頭線も2階のホームから出発していきなりトンネルに入り、次の神泉駅では地上のホームへ到着する。山と山の間、まさに谷なのである。そのため当然に坂の多い街でもある。

以前坂の写真を撮ることにハマっていた時期があった。都会の坂が好きなのである。ビルとビルの間の坂。いや坂がまずあってビルが後からできたのだ。坂の途中にある建物は、その勾配に逆らわないよう一階部分が斜めに構造されている。坂に合わせるしかないのである。グッとくる。

散歩がてら久しぶりに良い坂を探してみることにした。

渋谷の素晴らしいところは、こういった細くて路地な坂もあり

こういったでかい坂もあるところである。

しかし坂の写真を撮るというのは、このロマンとは裏腹に大変身体に負担のかかる行為なのである。なぜなら素敵な景観を見つけるために、坂を登ったり下ったりするからだ。以前一日に10本ほどの坂の写真を撮ったことがあるが、それの日はハイキングにでもいったのかという程にくたくたになった。

そしてこれは階段の写真を撮るときも同じなのである。いい角度を見つけるために昇ったり降りたりするからだ。なので今は、撮りたいものも他にあるし(看板とか)坂からは一旦距離を置いている。

決して飽きたわけではない。

活用されてない資産や農地を遊休資産とか遊休農地と言ったりする。そう、まさにこれである。遊休趣味。一旦寝かせているだけである。
だってこうやってたまに思い出して楽しむことができるじゃない。

昔は熱中してやってたなあということがひとつやふたつあるでしょう。それは飽きてしまったわけではなく、ただ遊休させている趣味なのである。またきっといつか燃え上がる小さな火が、あなたの中に遊休してますよ。


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