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大統領選後の1週間


9月24日

「明日は職場に行っただけで偉いってことにする」と就寝前に誓って、昨晩は眠りについた。今朝は7時にちゃんと起きることが出来たし、大変上出来だ。

職場へ向かうバスでは、たまたまなのか分からないが、いつも以上に乗客が少ない。

職場に到着すると、大きな荷物を持ってホステルに向かう学生を見かけた。恐らく、昨日の夜から今日の朝にかけて電車に乗って戻って来たのだろう。そう思うと、選挙って本当に一大イベントなんだと感じる。

教室に向かう途中で、何人もの知り合いに出会う。その時に毎回「チャンダ ティッバ(選挙があった)」と言って、投票完了の印である小指のペイントを見せてくれた。

選挙から3日ほど経過しているので、だいぶ色も落ちて爪の部分だけ残っている

久しぶりに教室に行くと、木曜日・金曜日にいなかった学生は殆ど戻って来ていた。えー今週もズルズル来ないかと思ってたのに、意外~と内心驚きながらも、いつものように授業を行う。

しかし、久しぶりに大きめの声を出して、教室をグルグル歩き回ったものだから、午前の休憩時間の前にはヘトヘトになってしまう。とにかく糖分が欲しい気持ちになっていたので、食堂でポルケーキ(ココナッツケーキ)とプレーンティー(砂糖なし)を食べる。

しかし、スリランカに来た当初は甘すぎて全然食べれなかったのに、今ではその甘さを欲するようになってしまっている。本当に慣れとは恐ろしいものだと、戦々恐々とする。(帰国したら私はどうなってしまうのか)

食堂で1人ティータイムをしていると、別部署のサーに出会った。彼は基本外回りなので、職場に出勤している時は基本暇で、私もよくティーに誘われる。
私のいる机に座って一緒にティーを飲み始めると、お決まりのチャンダの話題になる。やっぱり投票率が約80%あっただけあって、みんな投票しに行っている。サーはスリランカンジョークで「投票行ってないの?」と聞いてきた。

そう言えば、私にゴリゴリのスリランカジョークを教えてくれた国際課のサーは9月1日付でに配置転換されたらしい。常にキツめのスリランカンジョークを投げてくるサーで、やっとサーとの会話も楽しめるようになってきただけに、ちょっと寂しい。(そして現実を受け入れられなくて今に至る)

いつも通りの日常の中でも、着々と新政権は動き出しているようだ。ニュースによると、今夜にも議会は解散し12月までには総選挙も行うとのこと。今回の大統領選挙とはまた違う選挙になるが、また近いうちに選挙フィーバー(1周回ってそう呼ぶことにした)がやって来るみたいだ。(しかしスリランカにいるうちに大統領選挙も総選挙も経験できるのは、ちょっと嬉しい)

9月25日

今日は1日停電と大家さんに聞かされていたが、そのメンテナンス停電も無くなったらしい。無くなったってどういうこと?振替日はないんかい!って思いつつも、ひとまず職場に向かう。

Photoshop授業も今日で終了と言いたいところだが、ここ最近はラマイの中でクリケットが大流行しているせいか、休み時間が過ぎても全く教室に帰ってくる気配がない。むしろ教室に残っているのは4名ぐらいなので、教室の鍵を閉めて、戻ってこない学生を締め出した。

その間に、ゾロゾロと帰って来て「開けてくれない!」と言い出すラマイを他の教室にも聞こえるレベルの声で怒る。その後、1人のラマイがオフィスに教室の鍵を取りに行ったと、同僚に言われ、しぶしぶ学生を教室に入れる。

しかし、私だけでなく同僚も一緒に「もう遅れちゃダメ」と言ってくれたので、良かったことにする。外国人インストラクターは現地の先生に比べて、舐められがちなのが常だが、私の現状を現地の先生が目にすることは大事だと思うからだ。
ラマイが教室に戻ってきた所で、切り替えて授業を進めるが、スリランカラマイはとてもピュアなのか、怒られた後は大変静かである。

お昼休み前に「1時から授業を始めるから、絶対遅れないように」と言うと、みんな1時には教室にいた。やればできるやん、ラマイと思いつつも、不服そうなピリミラマイ(男子学生)もいる。不服というか、完全に逆ギレしてる様子で、常にブツブツ言っていた。(てか、そんなにキレるなら、ちゃんと時間を守りなさい)
みんなの総意としても、教室から締め出されたのは少々不服だったのか、プラクティカルの時間はいつものように質問が飛び交うことなく、学生たちで色々教えて合って解決していた。それはそれで良い。

しかし、スリランカラマイは基本的にピュアで面白い。ダメって分かっててもご飯は食べるし、ドジな子ほどそれを隠すのが下手だ。ある男子生徒がチーズクッキーを食べたのが音と匂いですぐ分かったので「何食べてるの」と言うと、あまりにもおどおどしながら、モゴモゴ言っていた。ちょっと面白かったので、「それじゃ分からん」「答えになってない」「言いなさい」と立て続けにツッコむと、近くにいた女子生徒は笑っていた。最終的に彼は噛む音が聞こえないように、頑張ってクッキーを口で溶かしているのが分かった。しかし、相手はチーズクッキー。明らかに匂いで分かる。完全にこれは理不尽な対応だけど、その後に「まだ食べているわね」と言うと、コクリと申し訳ななそうに頷く。あかんと思ってるんやったら、はよ食べやと思い、ラマイの肩を叩く。

そう言えば、総選挙は11月14日になったみたいだ。


9月26日

特になんの予定もないけど、とりあえず出勤。ここ最近は家を出る時に大家さんの飼い犬に出待ちされている。

今日は職場でプログラムがあったみたいでティータイムにフィッシュバニスを頂く。今日のバニスは生地がもちっとしていて美味しい。

9月27日

今日は別部署の人達がやる小学生向けのプログラムに参加する為に、家を6時半に出発する。7時には職場から車に乗って、現場の小学校へと向かう。コロンボとは言えど、かなり都市部から離れた場所だった為、普段生活している場所とは全然雰囲気が違う。

さらに、対象者もグレード1から3(5歳〜7歳)の為、これまた全然反応も違う。ティーを頂く時にグレード1の子達の教室を見たが、あらゆる場所にシンハラ語の単語なんかが貼ってあった。それを見ると、こういう場はこういう場で普段喋ってる時のような誤魔化しが効かないから大変だなぁと感じた。というのも、話す相手の年齢が幼いからこそ、より文法的に正しくいうとか、英単語をなるべく使わないとか、そういう工夫が必要だと思ったからだ。

しかし、やはり5歳は5歳。1日のプログラムの後半はかなり集中力もなくなっている子も多かったし、怪我をしてしまう子もいた。
皆で協力して行うゲームでは、あまりにも上手くいかなくて「アネー」が連発していた状況に、私は思わず笑いが止まらなかった。何がそんなに面白いって本当に「アネー」しか言わないし、「アネー」ばっかり言ってると、気付けば別のアネー案件が発生してるのだ。それがあまりにも面白くて、最終的には生徒の様子を見てずっと笑ってた。

普段接している年齢が違うとこんなにも対応が変わるものなのかと考えてしまった。というのも、生徒は急に私の手を握ってきたりするのだか、私は咄嗟に「えーなになに」と言って振り払ってしまったり、そろそろ近付いてきて「マタ ティーチャータ カターカランナ アーサイ(私は先生とお話したい)」と言われた事に対して真顔で「イティン?(それで?)」とつい言ってしまったのだ。流石に、7歳の子に「イティン?」は酷だったと反省したのだが、完全にそういう返答の仕方に慣れてしまってるのだと気付かされた。

結局、その日は夜にキャンプファイヤーをして、家に帰宅したのは21時過ぎだった。いやぁ、でも久しぶりに火を見れて嬉しかったなぁ…(焚き火大好き人間)

9月28日

今日から始まるオンライン講座の予習の為に、エリカフィッシャー・リヒテの『パフォーマンスの美学』の最後の部分を読む。色々気になった所や引っかかる所をノートに書きながらの読書だったので、多少時間は掛かったが、これはこれで良い読み方だと思えた。

夕方頃からはオンライン講座を受講し、久しぶりに演劇とかパフォーマンスとかの話を聞いたり考えたりしたので、めちゃくちゃ楽しくてニコニコしてしまった。
しかし、そんな楽しい時間の最中にも関わらず、激しい雨が降り始める。スリランカは10月から11月が雨季の時期なので、もうそんな頃かと思いつつも、停電だけにはならないで…と願った。

結果として、そんな願いは届かず停電となったのだが、今まではジェネレーター付きの高級マンションにいたので、しっかりと停電を経験したのは今回が初めてだった。
1時間経っても停電は直らず、夜ご飯を作ることも出来ないので、外に出る。しかし、周りの家は普通に明かりが付いてるし、なんなら家の門の明かりも付いてる。あら、これは自分でブレーカーかなんかを直せば、復旧するのでは?と思って、大家さんに電話してみると、見事に当たりだった。
ああ、こんなことなら、すぐに復旧させれば良かったなぁと思いながらも、そもそも停電自体が初めてだったんだから仕方ないと思うことにする。

9月29日

午前中に掃除等を済ませ、一通り汗だくになったら、洗濯物を洗う為に洗濯機のあるベランダに出る。いつものように扉を開けて、外を出た瞬間に「ブンッ」と羽音が上から聞こえる。何事!?と思って辺りを見たが、それらしい虫はいなかった。
少々居心地は悪いが、いつも通り洗濯機を回していると、ベランダの天井の穴が空いている部分から蜂の巣らしいものを発見してしまう。

日本のゴキブリ対策グッズが功を奏し、ゴキブリ遭遇率がやっと減ったかと思えば、次は蜂か…とついついため息らしきものが出る。どうりで最近ベランダに木くずっぽいものがいっぱい落ちてると思ったんだよなぁ…と思い出す。本当に、スリランカでは次から次に色んなことが起こるものだ。

天井の中に巣を作られているようだったので、大家さんにひとまず連絡だけ入れて、予定通り底が深めのフライパンと陶器の皿を買いに街に行く。

ここ最近、クリームパスタやペペロンチーノ作りにハマっている私なのだが、最初に買ったフライパンでは浅すぎて、すぐに吹きこぼれる事が多々あった。それにフライドライスとかも自分で作りたいし…と思うと、深めのフライパンを買い足すのが賢明だと考えたからだ。
ついでにペラペラのプラスチック皿だったお皿を陶器の皿に変えたくて、一緒に購入する。やはり、最初はお金を少しでも抑えたくて安いものに手を出しがちだが、結局買い直してしまうことが多い。しかし、全部が全部良いものを揃えることは金銭的に難しいので、どこにお金をどれぐらい掛けるのかをポイントとして掴んでいきたいところだ。

まとめ

ふと晩御飯を食べていると、大統領選挙が1週間前の出来事であったことに驚いた。というのも、選挙前よりも選挙後の方が危ないと言われていたので、しばらく騒がしい日々が続くかもしれないと思っていたからだ。しかし、今回の選挙は今までの選挙の中でもかなり平和的に終わった選挙だったらしく、かなりスムーズに日常生活が戻ってきた。

選挙集会で集まる大勢の人や、その場の流れでお酒を飲んだり暴れたりする人もいるのには、正直ビックリしてしまったし、普段温厚なスリランカ人でも色々思うことがあるのだなぁ、と感じざる負えない。
とは言え、選挙権もないピヨピヨ外国人の私は、そんな状況を何か変えられる訳でもない。集会にも参加できないし、現地人と一緒にお酒を飲んで殴り合う訳にもいかない。(物理的にもピヨピヨだから確実に死ぬ)

現地に住むスリランカ人とは、また違った立場から選挙を見ていたのだろうと思うし、この1週間の私の関心ごとは、選挙後の緊張感と冷蔵庫で買い置きしたヨーグルトがカビてないかどうかだった。
日常と世の中と…。常々その2つを考えようとして、全然言葉が出てこなくて、フワフワしている。

また11月には総選挙があるらしいから、その時もこんな感じで日々をnoteに記そうかな。

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