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第81話あとがき 楽しく続けるにも鍛錬

最近は夫とよくマラソンの練習方法について話しています。夫はフルマラソン、私は30キロマラソンの大会が控えていて、当日どれくらいのペースで走ろうかとか、音楽を聴くかラジオをきくか、とか補給食は何にしようかといったようなことまで。マラソンにまつわるおしゃべりを繰り広げています。夫はよくYouTubeの動画も見て研究していて、新しい練習方法を見つけては実践し、教えてくれます。私は、走ることを楽しみたいタイプなので、そんなに練習方法決め込むことはありませんが、一緒に動画を見たり話したりしているうちに、耳に残ったことは気を付けてみたりして取り入れています。
先日、夫からある練習方法を聞いた時のこと。
それは一定時間を速いペースで走り、その後遅いペースで一定時間走り、また速いペースで走ると繰り返していくという練習方法でした。
「あ、結果的にそういうペースになることあるわ」
と私が言うと
「いや、それが狙ってそのペースで走るのと、結果的にそうなるのとでは違うらしいんだよね」
と夫が言いました。
なるほどなぁ!と私は深く納得してしまいました。つまりメンタルも
同時に鍛えているわけですよね。
何も考えずに走って結果的に目標としていたタイムを出すのと、目標タイムに合わせて走るのでは心の具合がだいぶ変わってきます。
フルマラソンを完走するには、フィジカル面だけではなく、メンタル面も調整していかなければならないのです。そのために、「楽しく走る」だけではなく、「目標タイムを狙って走る」という訓練が重要になってくるのでしょう。
「楽しく走る」だけで完走できる超人も中にはいるかも知れませんけどね。フルマラソンというものは多くの人にとってそう簡単ではないはずです。というか人間の許容範囲を超えているスポーツに違いありません。
近所のパパ友で、トライアスロンもやっている市民ランナー仲間がいるのですが、彼も言っていました。
「20キロくらいは気合いで走れる。それ以上になると気合だけでは走れない」
完走に向けた鍛錬や、調整が必要なのです。なるほどなるほど。私がノリで挑戦しようとしているもののヤバさがちょっと分かってきたぞ。私のこれまでの最長走行距離は21キロ、ハーフマラソンです。「楽しく走る」という気合いだけで完走したかもしれません。今度参加する30キロに向けて、私はこれまでにない準備をしなければならないのかもしれません。

さて、ところでこの話はマラソンだけに限ったことでしょうか?
漫画を描くことにも当てはめられるような気がしませんか?
最終回まで連載を描き切る、もしくは生涯漫画を描き続けるということを目標とした時に「楽しく描く」というモットーだけで、はたして続けていけるものなのでしょうか。それは私がお絵描き超人か否か、ということにかかってくるかと思いますが、十中八九そんな超人ではないと思われます。
フィジカルやメンタルという言葉は、そのまま当てはまりもするでしょうし、技術やモチベーションと言い換えることも出来るかもしれません。漫画家という人生を完走する為には、技術の向上に努め、モチベーション管理を怠らないようにしなければ、途中でリタイアすることになりかねないのではないでしょうか。
「楽しい」と感じることも大事だし忘れたくないけれど、「楽しくない」と感じてしまうときにもリタイアしないためにやるべきことがあるのだなぁ、と思いました。
まじめに。

ちょっとまじめすぎたか。
もういいですね。
あとがきにいきましょう!

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