国語科教員になりたかった私の話1「小学校の独特な授業」

 小さい頃から本を読むのが好きで、生まれつき心臓病を持つ妹が入院している間、十八歳未満は病室に入ることができなかったため、小児科前のエレベーターホールに置いてあるベンチに一人で座って読書をしていた。

 両親は「教育は荷物にならない」と言って、本を買うお金は惜しまず、私達姉妹が読みたい本は何でも買ってくれた。

 高校までエスカレーターで進学できる小学校に通っていたものの、大学附属の中学校を目指して、小学校三年生になると私は近所の個別指導の塾に通うことになった。

 そこで勉強をするうちに、もともと勉強は嫌いではなかったが、こと国語に関しては他よりも秀でていることが数値になって表れた。
 勉強で良い成績を出せば、先生や両親が喜んでくれるのが、私にとってとても嬉しいことだった。塾の先生が、夏休みの課題にと言っておすすめの本を教えてくれたりするようにもなった。

 通っていた学校の校風は、簡単に言えば「個性尊重」。
 独特の授業をすることで有名だった。
 例えば国語の授業で言えば、ある作品を読み進めながら、途中途中で教師が問いを投げかける。それについて児童は、各々のノートに自分の考える答えとその理由の両方を書いて提出。教師は誰がどんな意見を持っているのかをプリントにして後の授業で配り、議論を交わす、というものだった。
 確かこれが、他の教科でも同じようなことが行われるのである。
 当時の私はその形式の授業がとても楽しかった。こういった授業だと、やはり性格によって手を挙げやすい子ども・挙げにくい子ども、という差が出てくる。私は前者であった。(この授業形式での姿勢が、高校・大学へと繋がるのだが、それは後の話。)

 学校生活が充実していたからだろうか。小学生の時点で、なんとなく教員になりたい気持ちが子ども心にあって、国語科かどうかは別にして、完全にそのつもりでいた。


(国語科教員になりたかった私の話2に続く。)

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