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No.256 「可愛い子には旅をさせよ」

仙台白百合学園高校にLEコースというクラスがある。生徒たちは、半年から1年間、英語圏の学校へ留学する。帰国後には留学を振り返る学習会があり、毎年この会のファッシリテーターを務めている。
今月、カナダ留学から帰国した生徒たちとその親御さんたちが集まって学習会が開かれた。

留学したい生徒たち、留学を我が子にさせたい親御さんたちにとって、高校生活の1年は大変貴重だ。高校生の1年間は、大人とは比較にならないほど得難いものである。このコロナ禍で多くの人が犠牲を払っているが、とりわけ高校生が強いられた様々な犠牲について大人たちの責任は大きい。

そんな中、留学を実行に移した生徒・学校・保護者・留学斡旋業者の勇気とご努力には心から感服する。

コロナ禍の留学は、コロナ禍前の留学にはなかった苦労がたくさんある。生徒たちは、喜びや楽しさに溢れる経験と共に、親元を離れ辛く苦しい体験を多々積んでいる。留学中は親に心配をかけたくないと、苦労話は極力控えるものだ。学習会で初めて知る我が子の苦労に驚きつつも、我が子の成長を誇らしく思う瞬間である。

若い時の苦労は買ってでもせよ。
苦労を重ねた分だけ成長に結びつく。まさに、親元を離れ辛く苦しい体験を重ねた分、成長は著しい。

何につけても過保護すぎる現代の親たち。

愛する我が子が目の前にいないという経験、あえて手を出さないという忍耐は、親をも成長させる。

成長には、辛く苦しい体験が必要だ。

可愛い子には旅をさせよ。


2022年2月

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