大学に行くのに必要なのは、偏差値ではなくお金と健康

このnoteに記してきたが、私は高学力層ではない。
高学力層になれるかもしれないという夢は見てきたが、なれていない。
この「現実」を記すために、赤裸々に明かす。途中で勉強をしなくなったとはいえ、高校受験の偏差値は65程度であったし、入学した高校の偏差値は63(当時は60がボーダーだった)で、所詮「中の上」である。
勉強できる環境があったのは、高校受験期だけであり、それですら、行く高校を決められ、もう無意味だと勉強しなくなった、つまり、勉強という努力をしていない。そんな私が大学に行けなかったと被害者ぶるのはおかしいかもしれない。

しかし、「普通の家庭」ならばどうだろう?
努力できる環境があり、当たり前に大学に進む。そんなことを彼ら彼女らは「普通」だと思っている。

内容は重複するが、改めて私の背景を説明しよう。
私は小学校のときに、母親の再婚相手から虐待を受けた。
中学校で母子家庭になるも、母親はDVの後遺症と持病により精神不安定であったし、私には家事と育児と、母親から勝手に入れられたモデル事務所の仕事、とにかく忙しかった。
ダブルワークをする母親を支えるため、家事を終えたら、弟を保育園に迎えに行き、夕食の買い物をし、夕飯を作り食べさせ、風呂に入れ、寝る準備をし、幼児を寝かしつける。
その中で、母親の彼氏から触られたり、といった被害も受ける。触られたのは脚だけだったので、まだマシ、なのだが、こうやって娘も狙う男たちは複数いた。
高校受験時は、母親は詐欺に遭い、更に経済的に困窮した。また、母親の元再婚相手の生活範囲を考え、安全のため、進学校の中では家から一番近い高校しか受験できなくなった。それが偏差値63の高校であった。元々、私の望んでいた自由な校風の単位制高校は、「そこじゃ大学に行けない」として猛反対にあった。

そして高校に入ると、厳しい管理教育と、発達の凸凹がある私にはついていけないカリキュラムで、元々不安定だった私の精神状態は急激に悪化し、不登校になった。結局、半年しか通っていない。そのまま私は引きこもりになったが、その時期、母親はセクハラ被害を訴えたことで解雇される。激しいうつ症状の中、家計を支えるためアルバイトをしたり、モデルの仕事をしていた。頭は働かず、将来の目処もわからないまま。そしてついに母親は持病が悪化し、倒れ、生活は完全に破綻する。

私はこんな環境の中、コツコツ勉強なんて、できなかった。
できる人もいると思う。でも、私はできなかったのだ。大量の精神薬を飲み、何度も精神科に入院し、家では寝込み、バイトやモデルの仕事のときだけ這い出るように家を出る。そんな生活で、勉強なんてできなかった。そもそもが、高校に通っていたのだって半年間である。ほぼ中卒だ。そんな中で、一からどうやって学習していくのか?
何度も言う。できる人もいると思う。
でも、私はできなかったのだ。

ただ、勉強への意欲はあった。だから、大学受験模試を受けたり、赤本を解いたりしていた。高卒認定も取ったし、センター試験をとりあえず受けてみたことはあった。
だが、現実問題、どこに住み、どこの大学に通うのか、現実的な目標は定まっていなかった。どうせなら、「いい大学」に進みたい。高学力層になりたい。東京に、行きたい。
夢想ばかり膨らむが、現実問題、勉強はしていない。できない。勉強していないのに、高学力層になるわけがない。お金もない。
だがそれでも、センター利用で、行ける大学は私立なら選ばなければあった。だが、「いい大学」と世間では言われない大学ではあった。そのためにバイトして、貯金をしたり、莫大な借金を抱えたり、寝込んでいる精神病の自分が、そもそもバイトしながら大学に通える自信もなかった。

「現実」を晒そう。これは大学受験模試の結果である。

目的もなく受けた模試

英語はひどい成績だが、読書が好きだった影響か、国語だけはそこそこ成績はいい。だがもちろんトータルでは高学力層ではない。「中の上」だ。
もちろん、特に勉強しなくても、「中の上」なら、このまま、行ける大学はある。選ばなければある。でもどうやって、大学に行くお金を得る? 働く? 生きるのも精一杯な自分は、そもそもまともな生活ができなくなった自分が、どうやって当たり前の生活を取り戻す? 

そして、夢想する。
夢想にはお金がかからない。
高校は半年しか通わず、特に勉強せずにこの偏差値なら、「ちゃんと」勉強したら高学力層になれるのではないか。国公立は無理でも、私立文系なら、世間で言う「いい大学」に行けるのではないか。頑張ったらいいのではないか。そしたら借金の価値もある……
あるはずだ……

現実は、重い鬱で風呂にも入れないのに。
椅子にも座れないのに。
頭は、働かないのに。

愚かなる人生である。


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