『優しい地獄』覚書

  A Sleep Storeさんで購入した『優しい地獄』を読み終わったので覚書。

・最初のほう結構読みづらかった。エッセイ(オートエスノグラフィー?)なんだけど、時系列が曖昧というか、「ない」ので前後関係がわからんまま読むしかないから。多分、もともとそういう時間感覚の人なんだろうと思う。文中で言及はされてるし。わりと幻想文学っぽくもある(私は幻想文学ちょっと苦手)。
・途中から「そういう感じなのね」がわかってくると面白くなってきた。内容としてはかなりむき出しな気がする。文体は幻想的なのに、なんか生々しいというか。内臓に手を突っ込んでるような。しっとりしている。
・ルーマニア(作者さんの出身地)の話が多め。でも民族・民俗な話はあんまりしてない。どっちかというと「社会」の話をしている。

・ちなみに装丁が非常に良い。サイズ、厚み、紙、文字の大きさとか。大変しっくりくる。

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