見出し画像

第2種電工・技能 書きやすく作業しやすい【ゾーン式複線図】 <3>

第3回 ゾーン式複線図の書き方 候補問題No.3

候補問題No.3をゾーン式複線図で書く

まず、No.3の単線図を確認しておきます。
スイッチ1個、タイミスイッチ1個、負荷2個、コンセントの回路です。
コンセントは埋込連用取付枠に取り付けますが、配線的には単独のコンセントと同じです。
負荷のうち、引掛シーリングはタイムスイッチにつないで直接コントロールし、ランプレセプタクルは別のジョイントボックスのスイッチにわたり線を介して結線します。

下図が、No.3のゾーン式複線図による完成図です。

それでは、手順を説明していきましょう。

①ジョイントボックスの記入

  1. 最初に、ジョイントボックスを書き、その中を3つのゾーンを下図のように区切ります。

接続点(●)を書く際には、線の役割に対応して、以下のように各ゾーンを使い分けます。

②電源と器具を配置

  1. 引掛シーリングは四角を書き、中にタイムスイッチと連動した記号(イ)を書き入れます。ランプレセプタクルは丸を書き、中にスイッチと連動した記号(ロ)を書き入れます。

  2. 埋込連用取付枠を使用する部分は、縦長の四角を書き、その中に器具を書きます。

  3. タイムスイッチは四角を書き、中にTSを書き入れます。脇にタイムスイッチに器具と連動した記号(イ)を書き入れます。

  4. スイッチは、複線図の記号に置き換える必要はなく、単線図の記号のまま●で表します。脇にスイッチに器具と連動した記号(ロ)を書き入れます。

③電源からの電線(接地側、非接地側)を記入

  1. 電源からの電線を書き入れますが、先に、接続点(●)を書いておきます。

  2. 3つのゾーンは、それぞれのゾーンを下図(左側)のように使い分けます。

  3. 電源と接続点(●)を線で結びます。

  4. 電源の電線は2.0mmなので、接続点を○で囲みます。

  5. 電線の脇に線の色を書きます(白の線はW、黒の線はB)。

こんな感じになります。

④器具からの線を書き入れ、左側ジョイントボックスを完成させる

  1. 非接地側の●とスイッチをつなぎます。

  2. スイッチかえり線のための接続点(●)をスイッチかえり線のゾーンに書き、スイッチとつなぎます。

  3. 電線の脇に線の色を書きます(非接地側の線は黒なのでB、スイッチかえり線は残りのW)。

⑤右側ジョイントボックスを書き入れる

  1. まず、コンセントが取り付けられた埋込連用取付枠の部分です。コンセントは接地側と非接地側の線が必要なので、それぞれに対応したゾーンに接続点(●)を書き、埋込連用取付枠とつなぎます。

  2. 電線の脇に線の色を書きます。

  1. 次に、タイムスイッチと引掛シーリングの部分です。タイムスイッチには接地側線、非接地側線が必要なので、それぞれに対応した接続点(●)とつなぎます。(タイムスイッチをスイッチ付きのコンセントと捉えれば、コンセントと同様、接地側、非接地側の両方が必要であることがわかると思います)。

  2. 引掛シーリングとタイムスイッチをつなぎます。タイムスイッチを介した接地側の線(白)と、スイッチかえり線(黒)です。

  3. 電線の脇に線の色を書きます。

  1. ランプレセプタクルの接地側とスイッチかえり線をつなぎます。

  2. 電線の脇に線の色を書きます。

⑥左右のジョイントボックスをつなぐ<完成>

  1. 最後に、左右のジョイントボックス間を3芯のケーブルでつなぐ部分を書き込んで完成です。

  2. 電線の脇に線の色を書きます。接地側の電線は白、非接地側の線は黒でなければなりません(試験問題の施工条件)。スイッチかえり線に残りの赤をつかいます。

※この手順は絶対ではありませんので、やりながら、ご自分のやりやすい手順を見つけてくださって結構です。

⑦リンスリーブの大きさと刻印を判定する

リングスリーブの大きさと刻印は、以下の対応表に従って判定します。この表を丸覚えする必要はなく、「2個、4個まで、それ以上」の区切りさえ頭に入っていれば、感覚的にわかるようになると思います。

No.3にあてはめると、下図のようになります。
複線図に書き込む必要はありませんが、書いた方が安心と思われる方は、書いてもいいと思います。

No.3の埋込連用取付枠の配線は単独のコンセントと同じなので、結線手順の説明は省略します。

ゾーン式複線図の考え方についてはこちらをご覧ください。

Ⓒnishi morinaga


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?