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【コラム】暮らしに寄りそう仏教の言葉①「天邪鬼(あまのじゃく)」

私たちの暮らしの中には、実はたくさんの仏教用語が溶け込んでいます。
その言葉たちの本来の意味を紐解いていきましょう。

今回ご紹介する言葉は「天邪鬼(あまのじゃく)」です。本心とは正反対のことを言ったり、正反対の行動をしてしまったりする人のことを指す言葉として使われていますね。

仏教ではもともと毘沙門天が腹部につけている鬼面のことを「海若(あまのじゃく)」といい、水神と考えられていましたが、後には毘沙門天の足の下に踏みつけられている二鬼を耐薫(あまのじゃく)と呼ぶようになりました。

『くらしの仏教語豆辞典(上)』(本願寺出版社/著:辻本敬順)

元となったのは、日本神話に登場する女神「女神天探女(あまのさぐめ)」という説があります。神さまの意思に従わなかったため、天の邪魔をする者という意味の「天邪鬼(あまのじゃく)」となったのだとか。

他にも日本各地の民話などにも、姿や物を真似て人を騙そうとし、最後には滅ぼされてしまう妖怪として描かれています。

自分に素直になれず、本心とは異なる態度ばかり取っていると、自分の身を滅ぼしかねない。そんなことを私たちに教えてくれる言葉なのかもしれません。

実はこの西本願寺の御影堂にある天水受けの下には、天邪鬼がいるんですよ。お参りの際は、よくご覧になってください。

▼お西さん(西本願寺)ホームページ内「お西さんの映えスポット」⑭をご参照ください。