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#SAJ2020 でアナリストのキャリアプランを考えるセッションを企画した理由

1年前のSAJ2019で、僕は「10年後のスポーツアナリストについて語ろう」というセッションのモデレーターを務めました。

僕がこのセッションのモデレーターを引き受けたのは、2019年の時点でスポーツアナリストのキャリアが多様化していたことを、多くの人に知ってもらいたかったからです。

スポーツアナリストを取り巻く環境や役割の変化

2014年の日本スポーツアナリスト協会設立から6年が経ち、当時と比べるとスポーツアナリストを取り巻く環境や役割は大きく変わりました。

2014年当時はデータを収集するアナリストの重要性は低く、待遇も良いとは言えませんでした。しかし、2020年を迎えた現在、スポーツアナリストの存在は、多くのスポーツファンが知る存在になり、メディアで取り上げてもらう機会も増えました。待遇についてはまだまだ十分ではありませんが、スポーツアナリストを起用するチームも増えました。

JSAAも、後進の育成のため、学生への普及活動に力を入れています。JSAAで紹介した事で活躍の場が広がったり、他業界で活躍しつつ、スポーツアナリストとして活躍する場所を模索している人も増えました。

アナリストからコーチ、コーチからアナリストとアナリストのキャリアが多様化する中で、アナリストのキャリアはどう考えればよいのか。協会が発展するには、多様なキャリアを選択できる環境整備も必要だと、僕は考えています。

この6年で最も著しいのは、スポーツアナリストのキャリアアップです。データの重要度が高まるほど、スポーツアナリストの重要性が増し、コーチやチームの戦略を担う立場になる人が増えました。スポーツアナリストになることは、コーチになる人の登竜門と位置づけている人もいます。

コーチになりたい人がスポーツアナリストを目指す一方で、スポーツアナリストという仕事を突き詰めたいという人もいます。JSAA代表理事の渡辺啓太さんもそんな一人ですし、千葉ジェッツふなばしの木村和希さん、横浜F・マリノスの杉崎健さんは、スポーツアナリストを突き詰めたいと考え、日々の仕事に向き合っています。

コーチの登竜門としてのスポーツアナリストか、スポーツアナリストを突き詰めるのか。そんなスポーツアナリストのキャリアを考えるセッションにどんなメンバーにご登壇頂くのが良いのか。僕がお声がけしたのは、この3人です。

アナリストからヘッドコーチに

1人目は、広島ドラゴンフライズU15でヘッドコーチを務める尺野将太さん。

尺野さんは、バスケットボール女子日本代表のアナリストを務めた後、B1横浜ビー・コルセアーズでコーチとヘッドコーチを務め、チームを2年連続残留へと導き、2018-19シーズンはB2広島ドラゴンフライズでヘッドコーチを務め、2019-20シーズンから広島ドラゴンフライズU15のヘッドコーチを務めています。

アナリストからヘッドコーチというキャリアを思い浮かべたとき、真っ先に思い浮かんだのが尺野さん。今回の依頼を二つ返事で引き受けてくれました。

2人目は、名古屋ダイヤモンドドルフィンズの末広朋也さん。末広さんはバスケットボール男子日本代表のアナリストを務めた後、2018-19シーズンから名古屋ダイヤモンドドルフィンズU15のヘッドコーチを務めています。

僕にとって末広さんは、バスケットボールに興味を持たせてくれた恩人のような存在。今回のセッションも二つ返事で引き受けてくれたのだが、セッション発表後に登壇できない用事ができてしまい、泣く泣く他の人に替わってもらわなくてはならなくなってしまった。

アナリストの仕事の領域が広がっている

末広さんの代わりにお願いしたのが、フェンシング・フルーレ日本代表のアナリストを務めている千葉洋平さん。

末広さんから連絡を受けた後、真っ先に状況を報告しようと千葉さんに電話して話している間に、「千葉さんに登壇して頂ければよいのでは?」と思いつき、その場で打診。千葉さんも「俺もそう思いました」と二つ返事で引き受けて頂きました。

千葉さんは長くフェンシング・フルーレ日本代表のアナリストを務めつつ、少しずつ活動の領域を広げています。千葉さんのお話は、アナリストの今後のキャリアを考える上で参考になると思います。

JSAA設立当時はスポーツアナリティクスの事を知らなかった

そして、3人目は、Hudlでご活躍されている高林さん。

約1年前にスポーツアナリティクスの世界に飛び込んできた高林さんは、2014年のJSAA設立当時、高林さんはJSAAの存在を知らなかったそうです。高林さんのような人がスポーツアナリティクスの業界で活躍していることが、JSAAが活動を続けた成果の一つではないかと思うのです。

本当はサッカー女子ワールドカップで、Hudlが導入したリアルタイム分析の話をしてもらおうと思ったら、サッカーは別のセッションが決まってしまったので、バスケットボールのセッションをお願いすることになり、結果的にキャリアのお話のモデレーターを担当して頂くことになりました。

高林さんとお会いしたのは1年前のSAJ2019だったのですが、初めてお会いした時に「この人はモデレーターできるな」と思い、SAJ2020でお願いしようと思っていました。もちろん、他の人にお願いすれば、自分が登壇しなくてよくなると思っていたのも、依頼した理由の一つなのですが。

様々な選択肢を選び取れる環境づくりを

僕はキャリアの話は、しつこく、同じ話を、何度してもよいと思ってます。重要なテーマだけど、タイミングやその人の状況によって、捉え方が異なります。キャリアは人によって異なります。様々な選択肢を選び取れる環境を、JSAAは作っていく必要があると僕は考えていますし、多くの人がキャリアプランを考えるきっかけになれば良いと思います。そして、多くの人がスポーツの魅力や、スポーツアナリストという仕事に興味を持って頂けたら嬉しいです。

アナリストのキャリアプランを考えるセッション、ぜひ楽しみにしていてください。SAJ2020は2月1日開催です。


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