勝ち負けだけじゃないスポーツの楽しみ方vol.28「僕のアイデアや見立ては通用するのか」

僕はnoteに文字通り「ノート」に書くようなことを書いている。自分の頭の中に思い浮かんだアイデアやメモをデジタル上に書いているだけなので、後で読むと「支離滅裂だな」と思うことも多々ある。でも僕は別にいいと思っている。なぜなら「note」だから。自分のアイデアを世に問う場所なのだ。

ただ最近気になっているのは、noteにアップされるコンテンツの完成度がとっても高いことだ。

アイデアを問う場所としてのnote

すでにクライアントワークで生計を立てている人が、普段の仕事の延長としてコンテンツを作り支持を得る。それ自体は悪いことではないが、プロが自分の仕事の一部を提供したようなコンテンツ、誰かが何かを言った理由を解説するコンテンツ、誰々風のコンテンツがとても増えたなぁと感じる。これはYouTubeでもTikTokでも似たようなことが起きている。妙にプロっぽいし、受けることが目的になった作りになっていたりする。完成品が並ぶことが増えた気がする。

むかし、ほぼ日刊イトイ新聞に「ガンジーさん」というコンテンツがあった。余命2ヶ月を宣告されたという「癌爺」さんが発行するメールマガジンがほぼ日刊イトイ新聞で読むことができたのだが、「ガンジーさん」がメールマガジンを始めた理由をこんな言葉で語っていた。

物書きのプロたちが、大きな机の無数の引き出しからネタを摘みだし、飯のタネにする。そのイージーな文をカネを払って読む。それが馬鹿ばかしくなっていたのです。

ほぼ日刊イトイ新聞の本 (講談社文庫)」より

ふと自分のことを振り返ると、同じようにイージーな文を提供する人になっているなぁと思うし、ブログを始めたころのように「ノート」を書くようにつらつらと書くことがなくなったと思う。いつの間にか人に受けることを狙って文章を書くようになっているが、それは結果的に自分ができることを狭くするし、表現が細っていく。完成品ばかり食べていると、いつか人は飽きる。

そんなことを、島田紳助さんのこの本を読んでいて思い出した。

島田紳助さんは「タレントとしての成功が偶然ではないことを証明するために、そして、現在の僕のアイデアが世間に通用するかを実験するためにビジネスをしている」とこの本で語っている。

僕がサッカーのことを書いていたりスポーツに関するプロジェクトを手伝ったりしているのは「僕のアイデアや見立てが通用するか知りたかったから」なのだが、この本を読み終えてからすっかり忘れていたことに気がついた。

自分の頭の中のアイデアは、世間に通用するのか。イージーな文に見えたとしても、そのことを問う内容にはしておきたい。そんなことを昔よく読んだ本を読み直して改めて考えた。

マーケティング視点で風間八宏を分析する

2014年から2016年まで川崎フロンターレの監督を、2017年に名古屋グランパスの監督を務めている頃、風間八宏さんの考えを知りたくて、すべての試合のプレビューとレビューを書いていました。

ただ風間さんの考え方やメッセージは、サッカーのコーチや戦術が好きなマニアックなファンほど違う捉え方をしている気がします。

普段デジタルマーケティングの仕事をしている人にとっては、風間さんの考え方はとても合理的で解像度が高く腑に落ちることばかり。サッカーが好きでビジネスの最前線で活躍する人で風間さんのことを知っている人ほど「風間さんはすごい」と話しています。

そんなわけで、風間さんの考え方を僕なりの解釈で説明してみます。


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風間さんの考え方が勘違いされる理由を考える

これまで風間さんの取り組みや考え方を自分なりの解釈で振り返ってみましたが、いろいろ語ってきたけど本題について考えていないことに気がつきました。

それは「風間さんの考え方が勘違いされる理由」について。

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スポーツのコラムにプラスして、日記を書くことにしました。日記には、お会いしている人の話、プロジェクトの話、普段の生活など、表に書けない話を書こうと思います。

Jリーグ、海外サッカー、ランニング、時事ネタなど、自分が普段楽しんでいるスポーツの楽しみ方について、ちょっと表で書けない話も含めて、4,0…

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