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【BNPL】GMO,Naverが投資するインドネシアのFinAccel社について解説【BuyNowPayLater】

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東南アジアの状況について以前こちらの記事で紹介しました。
登場したプレイヤーについて今後少しずつ書いていこうと思います。

今回はFinAccel社がインドネシアで提供しているBNPLサービスのKredivoについて。

1.FinAccelについて

・Founderはインド人のAkshay Garg
・2015年に設立(本社所在地はシンガポール)
・サービス展開国
 - インドネシア、フィリピン、タイ
・展開サービス
 - Kredivoという後払いサービス
 - Limeという家計簿アプリ
・投資家
 - SquarePeg,GMOベンチャーパートナーズ,Asia Growth Fund

日本で後払いを提供するGMO-PG村松さんが率いるGMO-VP、オーストラリアの後払いZipに投資しているWestpac銀行なども投資している東南アジアの注目企業です。

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2.Kredivoとは

FinAccel社がインドネシアで提供しているBNPL「Kredivo」について

利用できる後払い
Kredivoでは2種類の後払いを提供しています。

・Pay later
 - 30日以内に一括後払い
 - 無利子で利用可能
・Long term installments
 - 3か月/ 6か月/ 12か月の分割払い
 - 月利2.95%

Kredivoが使える場所

KredivoはECだけでなく実店舗でも利用可能な決済です。

利用可能な店舗を見ていると、Lazadaやtokopediaなど有名どころは基本的に抑えています。

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他にもIKEAPanoramaJTBなどECにも導入されています。

またECだけでなく実店舗にも進出しています。
店舗でQRコードやバーコードをスキャンする仕組みを活用しているようです。

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ECから進出し、実店舗に展開するのは世界共通のようです。

Kredivoが実店舗で利用できる店舗
有名どころとしてはMcDonaldでも利用することが可能です。
このようなキャンペーンも実施していたりします。

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ECでの利用フロー
言葉で細かく書いても伝わりづらいと思うので、チュートリアルをどうぞ。

3.Kredivoの利用条件

ここからはKredivoを実際に使うための条件などについて見ていきます。

利用条件
Kredivoは誰でも使わるというわけではありません。
最低限でも以下の条件を満たす必要があります。

・インドネシア国民であること
・18〜60歳
・以下のような居住エリア
 - Jabodetabek、Bandung、Surabaya、Semarang

居住地域が限定されているのが面白いですね。
島国という点が影響しているのか、所得エリアを指しているのか気になります。

プランについて
またKredivoにはプランという概念が存在します。
プランごとに利用できる上限金額や、分割利用可否が異なってきます。
①Basicプラン②Premiumプランの2種類があります。

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プランについて
・Basicプラン
 - 30日以内後払いのみ利用可能
 - 最大IDR3,000,000(約2.2万円)
・Premiumプラン
 - 3か月/ 6か月/ 12か月の分割払い(Long term installments)が利用可能
 - 最大IDR30,000,000(約22万円)
 - 1回の買い物で最低IDR1,000,000以上の購入が必須

利用申請に必要な情報

プランごとに必要な情報は異なります。

Basicプラン
・基本情報の入力
 - 氏名,住所,収入状況
・IDカード(KTP)のアップロード
・selfieのアップロード

※KTP( Kartu Tanda Penduduk)とはインドネシアの身分証明書
・NIKと呼ばれるID番号
・顔写真、氏名
・出生地、性別、血液型
・住所や職業、宗教 が記載されている

PremiumプランではBasicプラン申し込み情報に加えて、更に以下の情報が必要になります。

Premiumプラン
・居住証明
 - 取引に使用されたeコマースアカウントを接続することで証明
 - Shopee,tokopediaなど
・収入の証明
 - NPWP写真をアップロードする
 - 最低IDR3,000,000/月の収入が必要(約2.2万円)
※NPWPとは納税者カードのこと

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上限金額についてですが、Premiumプランにアップグレードせずとも、支払い履歴を積み上げていくことで上限金額を上げることで可能なようです。

支払い方法
支払い自体はオーソドックスなものです。

・銀行振り込み
・コンビニ支払い

FinAccel社がKredivo上で提供している他サービス
Kredivo上では決済だけでなく、他サービスも提供しているようです。

・保険
 他社と協業し、スマホの保険を提供。
・ローン
 月額2.6%~4%でキャッシュローンを提供。

4.競合について

競合については以下のサービスがメインになっています。

akulaku
・個人向け融資も提供
・ECで幅広く展開
OVO
・ウォレットサービス
・taraliteを買収しBNPLに参入。Tokopedeiaでの提供を開始。

ECプレイヤーも参戦

Kredivoが導入されているECサイトのshopeeでも自社でBNPLを提供開始するなど、今後も競争が激化するかもしれません。

5.おわりに:Kredivoの与信について感想

ここまでKredivoを使うための条件について細かく書いてきました。
世界で流行しているBNPLと違って、審査が厳重であることが伝わったかと思います。

取得している情報などから私個人としては
「Kredivoは信用情報機関を頼りにしないデジタルクレジットカード」
だなと感じました。

思考プロセスとしては以下のような感じなのでしょうか。

・銀行口座も持てない方が多くいる
・しかしクレジットサービスに関するニーズは大きい
・ニーズはあっても信用情報機関に履歴が溜まっていない
・既存の信用情報機関に頼らず、新たに信用創造するための方法を作ろう

審査の厳重さについては、監督省庁であるインドネシア金融サービス庁(OJK)のガイドラインなのかもしれません。
この点については現地に詳しい法律事務所などプロフェッショナルの方のご意見をお伺いしたいです。

実際に回収出来ているのか?
この疑問については過去のインタビューで3.5%と公表しています。

遅延損害金なども一定発生するようですが、加盟店手数料などから考えた時に、どの程度まで回収率を改善すればビジネスモデルが成立するのか??非常に気になります。

得られる情報が少ないなーと感じているので、現地情報に詳しい方は是非勉強させて頂きたいです...!!

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