パワハラと会社都合退職 第三話
事実確認の日が近づく。
その間にも出張があった。
その日は何事もなかった。
まるで事実確認のことをその上司も知っているかのように。
こちらに物的証拠を掴ませないかのように。
私自身は悩みはじめていた。
事実確認が行われて、パワハラの事実を認める人間などいるのだろうか?
"やってない""覚えていない"
そう言われてしまえば、被害者側には何が残る?
認めなかったところで、上司に問題ありと会社が判断し会社都合退職が認められることはあるのか?
第三者の目撃者もいるが相手は取引先、今後の企業同士の結びつきを切ってしまう可能性がある中、証言をしてもらえるだろうか?
会社都合が認められなくても、なんらかの被害に対する見返りがあるのか?
何も得られなかった場合、訴えるだけ訴えてその上司に恨まれ、怯えて暮らす。という最悪のシナリオしか浮かんでこない。
ここからは私の考察になります。
結末1
不安を抱えつつ事実確認の日が来た。
上司は別室に呼び出され、その間に私は他のエリアの部署に机を移した。
辞めるまでの時間ここで過ごす。
事実確認の結果、上司はパワハラを認めなかった。
しかし、これまでのおこないや他社の証言により上司は厳重注意の上、減給。
私の会社都合による退職が決まった。
残り数日耐えれば、退社できる。
結末2
事実確認の前日、私は上の上司に連絡した。
"明日の事実確認の件ですが"
確かめたかった。
もし上司が認めなかった場合、私はどうなるのか?
一身上の都合で退社。そして辞めるまでの間、もしくは辞めた後も、上司から暴言などの被害を受けることになるのではないか?
"じゃあ事実確認はやめておこうか"
"認めなかった場合、会社が君にできることはない"
そうか、泣き寝入りするしかないのか。
パワハラを受けて、悲しい思いをして、勇気を出して相談して。
でもその続きはハッピーエンドには続かないのか。
今やめれば、私への次の被害は防げる。
会社は新人よりも今の戦力を大事にするべきだから仕方ない。
辞める前に、言いたかった。だけど、これ以上の被害も避けたかった。
直前で逃げて嘘つきと思われるのかな。
でも、もう疲れてしまった。
私が"一身上の都合で"と書けばいい話だ。
退職した。
仕事はない。
やりたいこともない。
次回、完結編です。
実際はどうなったのか赤裸々にお伝えします。
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