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交通ルール① 子供たちにどうやって教えるか

交通ルールについて、公の場で常識的に話さなければいけないときは「交通ルールをきちんと守りましょう」なのですが、①自転車を実際の道路で道交法のとおりに乗車することは大人でも困難であり、②多くの自転車に乗る大人が道交法を守っていない、という日本の実情を踏まえると、子供には「交通ルールは出来るだけ守って、身の危険を感じたら、ルールを守るより身の安全を優先して」と教える方がしっくりくるのではないかと思います。



わたしは以下のように優先順位をつけて、一度ではなく時間をかけて、説明するだけではなく一緒に乗って、「理解してもらう」というより「身につけて」もらうようにしています。

最優先:「命は交通ルールより大事」

たとえばこちらが交通ルールを守っていても、交通ルールを守らない他者によって命を奪われることだって現実にはあります。
もちろんそんな加害者は重罪であり、遺族や社会に対して大きな謝罪と賠償をしなければなりません。そして「世間」と言われる無責任な他人たちも、交通ルールを守らなかった加害者に対しては好き放題に非難したり攻撃したりすることができます。

ただ、加害者にどれだけ賠償してもらっても、どれだけ好き放題に加害者を攻撃できたとしても、死んだ人は帰ってきません。

であれば、交通ルールを守って死ぬことより、たとえ交通ルールからは外れても自分の身を守る判断や行動を優先させるべきですよね。

ということで子供たちには「ルールより命を優先」と教えています。
尤も、ちゃんと自己防衛が身につくには時間も経験も必要ですので、それまでに事故に遭わないかは心配なのですが。

優先順位2番目:ルールはルール

昭和30年代に制定された道路交通法を、70年経った現代の交通機関や道路事情や社会において、大きな改訂もなく運用するのは無理があります。
それでも、日本国内では全員がこのルールを守って道路を利用することで安全秩序が保たれていることは事実なので、基本、身の危険がないかぎりは道交法を順守すべきだと思います。当然ですが。

子供たちにも当然教えていますし、通常はルールに則って乗るようにしてもらっています。 また、教えるときは必ず一緒に乗りながらです。座学で身に付くはずはありませんので。

横断歩道を自転車に乗ったまま横断して警察や交通指導員に注意された、ということをよく聞き
ますが、横断歩道を自転車に乗ったまま横断すること自体は道路交通法で禁止されていません。
(ただし横断する際には歩行者の通行を妨げないように注意する必要があります。)
このように、道交法には複雑で難解なものが多く存在します。

地域の大人たちで子供たちのために出来ること

「ルールはルール」とは言ったものの、実情と合わないルールや、逆に危険なルールや、不要な規制を放っておくことは、理不尽な事故を引き起こし、最悪は罪のない人を不幸な事故に巻き込みますので、これらの良くないルールについては、機会や方法を見つけて、改訂していくようなアクションを、大人たちがとっていく必要があると思います。
とは言ったものの、具体的な方法は今のところ思いつきませんが。

今できることとして思いつくのは、乗り方教室を開催したりすることぐらいしかないのが残念なのですが。

学校や教育委員会や自治体に「あなたたちがちゃんとやるべきです」と訴えたところで、「はぁ?」という対応しかされないのがオチですし、「それならばわたしたちでやりますから」と、こちらが自分たちの時間やお金を割いて実施したところで、逆に「許可を取れ」だの何だの難癖付けて実施のハードルを上げてきます。理不尽なのですが。

自転車の乗り方教室の様子。子供たちには好評だったようです。
安全な場所を借りる許可を自治体からとることが一番苦労しました。

わたしが過去に実施できた例としては、町の子供支援活動の一環として、自転車の乗り方教室を実施できたことがありました。内容は、ちゃんと曲がれて、ちゃんと止まれて、ちゃんと安全確認をできること、です。

ちなみにイギリスの半分以上の小中学校では、ちゃんとした有資格のサイクリングインストラクターが、公道で安全に乗る方法を教えているそうです。


実際の道路は悪い見本だらけ

子供と一緒に自転車で街に乗りに行きながら交通ルールを教える際に困ることは、前述のように交通ルールが実情に即していないことなのですが、それ以上に困ることは、悪い見本の大人が多すぎることです。

大別すると以下のようになります。

①マナーの悪い自動車

道交法を順守して自転車で車道を走行していると、「大きい乗り物に乗ってる人が偉い」と勘違いしてオラついてくる自動車が呆れるほど多いです。
最低限、車道の左端を走っている自転車を邪魔者視することはやめてもらいたいです。

②マナーの悪い自転車(1) ルールを知らないと思われる人たち

とくにシティサイクル(いわゆる "ママチャリ")に乗る、自転車という "車両" を運転している自覚のない人たちによる「信号無視」「一時停止無視」「歩道でも車道右側でも好きなところを縦横無尽」といった走行は、目に余ります。ルールを知っていて、少しでも常識があれば、そこまで酷い乗り方はしないはずなので、おそらくルールを知らないのでしょう。

警察も、ルール違反の自転車乗りがいなくなるように努力しています。
ただ、そのルール違反の理由が、ルール無視なのか、そもそもルールを知らないからなのか、
ちゃんと分析したうえで、それぞれの対策をした方が効果的かと思います。

③マナーの悪い自転車(2) ルールを知っていて守らない人たち

知らないでルールを守れないよりも、知っていてわざと守らない方がずっと質が悪いです。特に、本来は手本となるべき人たちであれば尚のこと。
肌感覚もしくは偏見かもしれませんが、ロードバイク、特に競技志向の強い車体に乗っている人たち、一時停止や二段階右折を守っていない人がとても多いのではないでしょうか。

ロードレースで道路を占有している時は一時停止も二段階右折も必要なく、さらに完全封鎖して
いれば反対車線の使用も可能なのですが、普段はそうはいきません。
レーサーは練習時は、他のサイクリストの模範になるようなライディングをしてほしいものです。


あとはサイクリングツアーのガイドで、「海外からのお客様に日本のルールを守ってもらうのは難しいし、ルールを守ると堅苦しくて満足度が下がるから」と言って、ルールを無視してお客様をリードしているガイドも実際にいたのは驚きです。わたしはそのツアーの仕事は当然降りました。

海外からのお客様だって、普通の日本人並みには日本のルールを理解できます。
最初から日本のルールを「守れるわけがない」と決めつけて教えないのは、
海外のお客様を危険に晒すことになります。


最後に、わたしは実際に数回しかその現場を見たことはありませんが、いわゆる ”白チャリ”で巡回する警察官。「あれれれれ?警察官こそ交通ルールを守るべきなんじゃないかなぁ」と、どこか勘の良い少年探偵みたいな口調で言いたくなっちゃいます。

道路を使用する多くの大人がこんな状況の場合、これらを見て、自分だけ道交法を守ろうと思う子供はいるでしょうか。

次回は、なぜこんな惨状なのかと、どうすれば解決できるかについてのアイデアについて、書かせていただきます。

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