記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

初恋✕初恋(映画「ファーストラヴ」を観て)

 映画「ファーストラヴ」を観ました。
 2021年、監督 堤幸彦、脚本 浅野妙子、撮影 唐沢悟。
 出演 北川景子、中村倫也、芳根京子、窪塚洋介ほか。

https://firstlove-movie.jp/

あらすじ

 真壁由紀(北川景子)はあるクリニックに務める臨床心理士で、元写真家で現在は写真館を営む兼業主夫の夫・真壁我聞(窪塚洋介)がいる。

 ある日、由紀にルポルタージュの執筆依頼が届く。それは、世間を騒がしている「女子大生父親刺殺事件」の犯人とされる聖山環菜(ひじりやま かんな 芳根京子)を取材し本にまとめてほしい、というものだった。

 警察での取調に対し、「父親を殺した理由は自分でもわからないので、動機はそちらで見つけてください」と答えたとされる環菜に、由紀は強い興味を抱く。
 取材の端緒として、環菜の国選弁護人を訪ねようとした由紀は、その弁護人の名前が庵野迦葉(あんの かしょう 中村倫也)であることを知り驚愕する。
 庵野迦葉…夫の我聞の弟であり、そして…

 由紀と迦葉は事件の経緯と環菜の過去について調べ始めるが、二転三転する環菜の言葉に戸惑う。
 そして二人は、環菜の事件だけではなく、自分たちの過去との対峙も迫られることになるのであった…。

※大雑把ですが以下の文章中に物語の展開に触れますので(ネタバレあり)、ご注意ください。

「あの、犯人わかっちゃったんですけど」とかじゃないです

 堤監督で犯罪が関わる作品、ということで、犯罪捜査ドラマのハズがいつの間にか超常的な能力を持つ犯罪者との命がけの死闘となっていたり、超常的な能力を持つ犯罪者に、超常的な能力は無いがその天才的頭脳・知恵と度胸と勇気で立ち向かうドラマのハズがいつの間にか人類創世から人類滅亡、人類の命運をかけた戦いのドラマになっていたり、原作のキングとかマコトってこうだったっけ…でも超面白いからOK!なドラマとか、まるっと全部お見通しなドラマを期待したくなりますが、そういった作品ではありません。
 ある事件と、その事件に関わる人々の姿、変わっていく人々の姿を、じっくりと丁寧に描いていく作品かと思います。
 良くいえばわかりやすく、悪い書き方だとベタな表現、描き方…かもしれませんが…。

はつ恋

 ファーストラヴというタイトルが意味するところ…それはそのまま「初恋」だと思うのですが、劇中で、いくつかの初恋が描かれていきます。

「初恋は成就しない」という言葉どおり、劇中の初恋も、心に苦いものを残す…あるいはとても深い傷を残す…ものになっています。

しかしそれが…

窪塚洋介

 堤監督作品の窪塚洋介!だけれども、時は流れ作品も変わり…そんなことを感じさせられてしまうような、穏やかで器の大きな人物を演じていた、と思いました。

 でも昔から、堤監督は、色んな表現はオモシロ奇抜でしたけれども、人と人との関係の描き方は、直球ストレートだったと感じています…。

中村倫也

 中村倫也がそう演じてしまうのか、それとも役柄が合っているのか…今作でも、中村倫也が演じる役はハマり役だったように感じました。

 窪塚洋介はちょっと意外(でも穏やかで優しそうな雰囲気が良かったです)な役柄でしたが、中村倫也は中村倫也への期待を裏切らないような役柄だったと思いました。

北川景子

 あることを指摘されて必死に堪えるけれども感情が漏れ出す、そんな場面がとても印象的でした。

 後、その…いわゆるラブシーンというのでしょうか、世間一般では…その場面、ちょっとおかしかったですよね…? バランスもおかしいと言うか… 撮り方次第でどうにでもなったような気がするんですが…

芳根京子

 自分の中では、朝ドラとか「チャンネルはそのまま!」の印象が強いのですが、今作は殺人犯役ですね…。
 何を考えているのかよくわからない様、目つきが印象的でした。そして終盤、彼女が何を考えていたのかが受け手側にもわかるようになってからも、その目つきが印象的でした…。

 その人が何を考えているのか、何を思っているのかということは、リーディング能力やニュータイプでも無い限り、思い図るか、その言葉を信じるしかない…それでも本当のところはわからないのだ…ということを考えさせられました。

 あと、関係ないですがドラマ「チャンネルはそのまま!」は超面白かったです。超ゆうな。

板尾創路

 あの時の目が怖い。だがそれがいい。…主人公たちの気持ちがわかるような恐さで、良かったと思います。

木村佳乃

 なんでわかってあげられなかったんだ…いや…お前…まさか…という感じで、板尾創路と近い意味で、良かったかと思います。

 いい意味で、場面内の意図を変に考えすぎたり深読みしたりということをさせられることなく、最後までお話に集中して観られる映画だと思いました。
 それってつまり(おわり)

貼り続けるしかない

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?