みちづれ巡礼 By 二輪草

みちづれ巡礼 By 二輪草

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食べ物のはなし 8月

by noriko  夏の土用の丑の日には「う」のつく食べ物を食べるとよいとされ、鰻を食べるのが慣わしとなっているが、それほど年中行事を忠実に守るというわけでもなく、我が家にとっては高価な食べ物であり、しかも今年は二度あるという。  亡くなった父は大変鰻好きで、土用とは限らず食していたので、お供養と称して土用の丑の日ぐらいはぜいたくさせて頂くとしても、二度目はない、と思っていた。ところが……。  普段の買い物のつもりでスーパーの中をぷらぷら歩いていると、ふと目に留まったもの

    • 日立の旅 2

      by noriko  山側は夏の強い日差しで育った深緑色の常緑林が続く。谷側に目をやると、ザワザワと水の流れる音がした。川は勢いがよく、時折石にぶつかる水が跳ね上がって踊る。  道路に平行して前方へ伸びる空の色が、うっそうと茂った黒々しさを幾分やわらげて、森への進入を拒まれずに済んだ。  迎えてくれたのは、御岩神社。  一度訪れてみたいと思いつつ、なかなか機会に恵まれずにいたのだが、ついにその時がやってきた。  鳥居をくぐったとたん「えっ?」驚きを隠せない出来事が起こ

      • 日立の旅 1

        by noriko  車は本道を外れ、狭い農道を走る。草を掻き分けるようにして進んでいくと、小川の上に架かる沈下橋が現れた。車一台がやっと通れるような橋。渡っても大丈夫? 落ちたりしない? ちょうど草刈り作業をしていたおじさんが、大丈夫だよ、と手を振って招いてくれた。おそるおそる渡り切り、土手を登るようにしてまた行くと、もう一度、沈下橋。木造で、まあ美しい。絵の中にいるようだ。  小さな冒険を終えて、着いたのは、泉神社。  数年前に何度か訪れたことがあるが、静かな森の中に

        • 酒列磯前神社と大洗磯前神社

          by noriko  参道の並木を作っているのは、やぶ椿かしら。うねりながら、空に向かって伸びている。花をつける季節ではない。長い間、多くの人々に寄り添ってくれている、ここは酒列磯前神社。  お参りを済ませると、海を見下ろすように立つ、小さな鳥居。こんな夏の暑い日なのに、涼し気に鮮やかな青い紫陽花が花をつけて、海の色と競っていた。  この由緒ある神社に連れてきてくださったのは、もしかしたら、ここに祀られている少彦名命(すくなひこなのみこと)だろうか。大黒様を手伝って、国づく

        食べ物のはなし 8月

          みちづれ巡礼のこと

          二輪草とは 私たち、『みちづれ巡礼』活動をする母娘ユニットのことです。 みちづれ巡礼とは この世界に生きている私たち ご先祖様 信じている神様 や 仏様 自然 ……等々 それらはいつでも、つながっていると思うのですが、 つい忘れがちになってしまうものです。 でも、ちょっとだけ意識してみると、 「つながった!」という瞬間に出会うことができます。 すると、私たちも ご先祖様も 神様も、 みんなで喜んでいるような気持ちになり、 一緒に人生を旅しているように感じられるの