我が青春のRHYMESTER

へっぽこな詩を書く身として、
RHYMESTERのセンスの良さには、
常に驚嘆しているし、嫉妬している。
韻の心地よさ、単語の使い方、メロディー全てが完璧で、
本当に悔しいとしか言いようがない。
また、生き方が良い。
格好良いだけじゃなく、生活感が満載で堪らないのだ。
普通、日本のHIPHOPの黎明期からいたのなら、
とことんキメちゃって良いはずなのに、
ラジオでは実に人間味あふれる、
いわば「そこいらにいるおじさん」のように振る舞う。
例せば、「アフターシックスジャンクション」での、
通販コーナーでの「美味しいですね、この身の詰まった蟹!」。
例せば、「ジェーン・スーの生活は踊る」での、
「良いんですよ、この入浴剤!」。
そこいらにいるおじさんだ。
おじさんなのに格好良い。
おじさんだから格好良い。
だからか、RHYMESTERお得意の冗談ソングとも言うべき、
「梯子酒」「K.U.F.U」なども、冗談を昇華させて、
良い音楽に仕上げているもの。

RHYMESTERの良い点。
それはクリーンなイメージが強く、
自身らもクリーンである事に誇りを持っている事だ。
悪いが、格好良い系HIPHOPの人の中には、
「おくすり」をやってしまったと言う事件が起きたりすると、
「ああ、あの人か。
 仕方がないな。」
と言う腑に落ちてしまう、マイナスなイメージの人がいる。
大体、クスリで捕まったHIPHOPの大半はそうだ。
しかし、RHYMESTERにはそれがない。
目茶目茶、クリーンなのだ、
子供にも安心して聞かせられる音楽なのだ、子供いないけど。

RHYMESTERとの出会いは、あまり早い時期では無かった。
それは、音楽ではなくラジオから、
「ウィークエンドシャッフル」である。
今でもラジオフリークな僕にとって、
その出会いは必然であったのかもしれない。
その時の印象、
「面白いおっちゃんがいるもんだ!」
にらえもん20代後半の出来事である。

そこから、彼らの音楽に目を向ける事になるのには、
大して時間がかかることはなかった。
「フラッシュバック夏」特集など懐かしいにも程がある。
コーナーで下らない、「あの時、いけてたはずの恋アルアル」の後に流れる、
本当にイケてる「フラッシュバック、夏」が怖ろしくファンキーで。

他のHIPHOPに浮気したことはなかった、
何か身に合わなかったのだ。
生活感があり、尚且つ格好良くて、
詩の才能にあふれていたのは、
RHYMESTER以外に私は知らない。
世はmummy-Dさん推しが多いが、
私はラジオの影響が大きいので、
断然、宇多丸さんです。

今でも一線で頑張っている、イケてる「おじさん」三人組。
あおはるを未だに謳歌している僕にとって、
今でも続く青春の一ページ。
これからも紡ぐ、青春のページ。

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