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双葉の会

 先週土曜、5月18日は第三回「双葉の会」でした。

 この「双葉の会」は、双葉町から埼玉県加須市に避難中の鵜沼久江さんが、コロナ禍で中断していた双葉町からの避難者の集まりを再開させたいと、鵜沼さんを中心に何人かの有志が集まって始めたものです。

 今年1月に第一回双葉の会を開催。そのときは、双葉町の人たちを追ったドキュメンタリー『原発の町を追われて・10年』(監督・堀切さとみ)の上映会と、僕の絵本の読み聞かせ、また、普段からボランティアで読み聞かせをしている方が、数冊の絵本の読み聞かせを行いました。

 震災当時小さな子どもを抱えていた双葉町から避難したお母さんたちが、僕の絵本の読み聞かせを聞いて、「私たちの思いを代弁してくれてありがとう」と話してくれました。

 3月に第二回が開催され、そのときは吉田千亜さんによるイノベーションコースト構想についての講演が行われました(僕は個展が重なったため参加出来ませんでした)。吉田さんはこの会の開催に賛同してくださったようで、今回は完全に裏方として活躍していました。

 第三回双葉の会は、『原発の町を追われて』を制作した堀切さとみさんと鵜沼久江さんが、GWに輪島市と珠洲市を訪れた際の映像と、取材報告をしてくれました。

 政府の支援不足による行政の圧倒的なマンパワーの不足、いつまで経っても片付かない瓦礫、なかなか復旧しない水道、ボランティア頼みの被災者支援。原発事故被災者として、まさに国から棄民されている立場の鵜沼久江さんにとって、今の能登の人たちは自分と重なって見えたかもしれません。また、そんな鵜沼さんの話す言葉は、能登の被災者を大きく勇気づけるものでもあったようです。

 珠洲原発の計画を止めたといわれる北野進さんのインタビューもありました。今や能登半島を原発事故から救った人として刻の人となっている北野さんは、全国各地から講演の依頼が来るという。後日、北野さんは双葉の会にも来てくれることになりました。

 今回は30名ほどの参加。加須市の各小中学校の運動会シーズンと重なったこともあって、双葉町からの避難者の参加は少なかったが、しかしそれでも当事者の切実な声は聞けました。双葉の復興住宅に帰還した人と繋がりが出来たのもこの会を通じて。

 中には、僕の絵本を見たという人もいるし、展覧会を見てくれた人、講演会を聞いたという人もいました。 ありがたい。こうした会を通じて、双葉の人たちの率直な声も聞けます。大切にしていきたいと思います。

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