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日曜

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#小説

日曜日①

序章
 私は本を読まない。無論書くこともない。だがこの出来事だけはどこかに記しておきたい。別に誰かに読んで欲しいわけじゃないが、どんな形であれ外に出せるものは出していかないとすぐにでも溢れて沈んでしまう。沈みたくないわけじゃない、願うなら深く深く沈みたい。だか沈むならからっぽの状態で沈んでいきたい。夜の真っ暗な海のど真ん中で、小さな小船に流れ込んできた海水を、命にすがりつくような必死さはないが、ゆ

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